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2001 年度 実績報告書

複雑系経済理論によるフードシステムの複雑系動態過程の解明に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 12660194
研究機関帯広畜産大学

研究代表者

金山 紀久  帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (00214445)

研究分担者 永木 正和  筑波大学, 農林学系, 教授 (90003144)
石橋 憲一  帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (60003117)
伊藤 繁  帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (00003145)
キーワード複雑系経済理論 / 消費者間相互の影響 / 製品差別化 / 学校給食 / 食文化 / 地場産 / 安定したフードシステム / パン食
研究概要

本研究では、昨年に引き続いて、複雑系経済理論の整理と、フードシステムの動態過程を分析するためのデータ収集、聞き取り調査をおこなった。
複雑系経済理論では、これまで、独立した個人の効用関数に基づいて最適な消費を決定するものと把握されていた。習慣形成などの影響も考慮されていたが、必ずしも中心的な役割を担っていたとはいえなかった。現実の消費者は、消費者間で相互に影響を受けながら消費を決定している可能性がある。つまり、価格水準や所得水準と同等かそれ以上、消費に影響を与えている可能性が考えられる。したがって、フードシステムの動態過程を分析する場合、そのような消費者間相互の影響を受け合う構造を想定する必要があるとの認識を得た。
小麦の民間流通に伴い、国産麦の利用において、農家と加工メーカーとの契約栽培などの動きが見られるようになり、中小加工メーカーにおける製品差別化政策の動きが活発化してきている。この製品差別化政策の展開については、こだわりを持つ消費者のみで終わるのか、消費者間で相互作用し、差別化の認識が広範囲に広がるかによって異なる。この予測は、複雑系の考え方からみるならば、非常に予測の困難な問題である。
戦後の食料不足の中で発足したパンの学校給食は、わが国におけるパンの消費に大きな影響をもたらしたと言われ、アメリカ産小麦の消費は、わが国のパンの消費に大きな影響を与えていると考えられる。今日、地場産の素材を利用した学校給食が求められるようになってきたが、小麦も同様な動きがあり、北海道でも2001年4月現在で51町村が道産麦50%を使用したパン食となっている。しかし、製品の作りづらさ、食味の問題等、問題がないわけではない。食文化の形成は、消費者の複雑な消費行動を抑制する作用があると考えられ、おいしい地場産の食品による食文化の形成は、より安定したフードシステム構築に必要であるとの認識を得た。

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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