研究概要 |
研究3年目となる今年は,前年(平成13年)度までに行ってきたハンバーガーの消費者行動に関する調査を学会誌に投稿掲載するとともに,中食の今後の有力な販売チャネルとなると考えられるオンライン直販についての調査をまとめ(千葉大学園芸学学術報告で公開済),その将来性を立証することに成功した。また,中食を農業経営の多角化戦略の一つと捉え,研究分担者が執筆した単行著書でその成果の部を公開したと同時に,農産物加工食品を農家民宿で販売した場合の経済波及効果についても研究を行い,中食は農業農村地域や農家経済の振興・改善に十分活用できる可能性があることを明らかにした。そしてこうした出版作業以外にも,中食の市場や需要の現状と将来動向に関する調査も行った。その結果,長引く不況の影響で,不況に強いといわれていた外食産業も毎年前年実績を下回り続けている中において,唯一,売り上げが増加しているのが料理品小売業,いわゆる中食の市場であることがわかった。具体的には,平成13年の外食産業市場規模は,4年連続前年実績を下回り前年より1.5ポイント減少し,26兆9,118億円になるとみられている一方で,持ち帰り弁当店や惣菜店,小売主体のファーストフードなどの市場規模は、5兆7,781億円で,対前年2.1ポイントの増加となると推計されていた(外食総研資料より)。以上のように,今回は標記研究の最終年度として,この3年間に行ってきた研究をまとめ,公開したことと,中食の発展の可能性を市場データなどから裏付けたことが主な実績である。
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