研究の初年度として、以下の内容を中心に研究調査を行った。 (1)2段階LA/AIDSモデルと省・市・自治区別家計調査データを使って、1985〜91年間と1992〜98年間における中国農村住民の家計一般支出と食料品目別の需要弾力性とその変化を計測し、食糧、野菜以外の食品類や非食品類の所得価格弾力性が全体的に高いこと、1992年以降の7年間は、以前の7年間に比べて、食品類の所得・価格弾力性は大幅に低下したが、非食品類のそれはより弾力化したこと、などを明らかにした。 (2)中国の穀倉地域といわれている東北3省に行って、食糧生産、流通の現状と現行農業政策について現地調査を行い、また新興の野菜産地として内外から注目を受けている山東省に野菜の生産・流通の現状を調査し、農家の生産・投資・消費行動に関するアンケート調査を実施した。それらの調査のまとめ作業は現在、進行中である。
|