研究概要 |
当該研究テーマの最終年度で研究成果をまとめる本年度は、当初の研究計画に基づいて以下のような研究実績であった。 1)農村調査 昨年のフランスでの海外農村調査の一環で行われた条件不利地域における農業、農村の実態分析を踏まえそれと比較検討する意味で、日本の条件不利地域農業調査を2002年秋に岩手県岩泉町で実施した。WTO体制に組み込まれたフランスとわが国の両地域とも、そこでの農業、農村の変貌はそれ以前にも増して著しいものがあることが確認された。この点は文献、資料研究を通じて研究成果として公表予定である。 2)海外研究 前年度に実施したフランス農村調査で得た成果を文献、資料調査でさらに精緻化する作業を行った。特にEU,フランスにおいては、この調査以降、たとえば農業政策の分野などで新たな状況が生じており、最新データ等を現地から取り寄せつつ、こうした点をどのように理解するかを研究分担者との定期的な打ち合わせのなかで検討してきた。 3)「研究成果」に向けた研究 研究期間の最終年度のなかで、「研究成果」作成に向けて本テーマでの役割分担に従った総括的検討を重ねてきた。初年度の北海道・十勝の大規模畑作(畜産)地帯における調査、第二年度のフランスでの3地域(ノルマンディ、サントル、オーヴェルニュの各地方)での調査、そして今年度の岩手県岩泉町の条件不利(中山間)地域での調査を踏まえ、WTO体制が本格的に始まったほぼこの10年間における農業・農村の実態面での諸特徴を総合的に捉える研究作業を続けた。この成果は近日中に公刊されることになっている。
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