研究課題/領域番号 |
12660217
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
農業土木学・農村計画学
|
研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
木村 和弘 信州大学, 農学部, 教授 (40021092)
|
研究分担者 |
鈴木 純 信州大学, 農学部, 助教授 (40262696)
佐々木 邦博 信州大学, 農学部, 教授 (10178642)
星川 和俊 信州大学, 農学部, 教授 (40115374)
内川 義行 信州大学, 農学部, 助手 (20324238)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2002
|
キーワード | 南アルプス山麓 / 中山間地域 / 土地利用 / 急傾斜地水田 / 農地荒廃化 / 安全環境 |
研究概要 |
本研究では以下について調査・検討し、明らかにした。(1)急傾斜地集落の伝統的農林業生産形態と農業的土地利用が安全環境の形成に与える機能、(2)農地の荒廃化による安全環境の機能低下とその防止のための整備技術開発、である。 (1)では、まず(1)南アルプス山麓・上村において検討した。上村・下栗地区では傾斜20度を超える畑地で永続的な多作目栽培がおこなわれている。これは、粗粒分の多い単粒構造の土壌が、雨水の衝撃エネルギを地表面で分散しているため、また透水性を維持する耕起や堆肥投入、流亡表土戻しや特有の耕起方法などきめ細かい維持管理が実施されてためである。次に(2)地すべり災害の多い新潟県東頸城郡牧村では、水田作業に様々な工夫がみられた。農家は秋の収穫後に小型ブルドーザによる代かきを行い、これは用水不足地域で多くみられる。またブルドーザ履帯による畦畔締固め等の維持管理もおこなわれている。(3)天竜川支流の三峰川では7つの霞堤周辺部の土地利用を検討した。そこでは都市的土地利用の増加による農業的土地利用の減少と地域の農地保全の取組み実態を示した。 以上を踏まえ、安全環境の形成における農地のもつ機能とその保全の必要性から、(2)では、棚田保全を例に、農地の荒廃化防止を目指した同心円的土地利用モデルを提示した。すなわち、(1)未整備の棚田を文化的景観のシンボルとして中心に配置する。(2)周辺の大部分の棚田は農業地域とし、適切な区画整理を導入する。(3)その外側の荒廃地化した地域では動物導入などによる粗放的管理を目指す。(4)さらにその外側には間伐等適切な管理を実施する里山地域を設ける。このモデルは更埴市姨捨地区等の適用事例から有効であることが示された。
|