研究概要 |
まず,日本国内で市販されている主な農用タイヤを文献調査し,エンジン出力とタイヤ直径の大まかな関係を求めた.またタイヤメーカのカタログより代表的な農用タイヤについて,トレッドパターンを数種類調査し,既に開発していたトレッドを持たない場合の有限要素メッシュ分割手法を拡張し,トレッドを有する場合のタイヤ有限要素分割手法を開発した,さらにタイヤの形状計測装置を用いて代表的な農用タイヤの基礎形状データを収集した. その後,トレッドの作用について,運動軌跡より幾何学的に考察した.また第一段階の準備として,重要となるタイヤと土の接触・転動によるけん引性能解析の計算処理手法を確立するため,タイヤを剛体車輪,軟弱上を離散要素法による不連続体解析モデル(DEM)とする2次元解析用プログラムの基本ルーチンを作成し,各種境界条件を供試した数値実験を行なうことで,特に接触判定を中心にそのプログラムの妥当性を確認した.この2次元解析プログラムを元に,さらに3次元問題を取り扱うため,該当計算部分の3次元への拡張方法を検討した.また,簡単にタイヤ・トレッド形状データを入力できるように,前処理機能を考察・検討した. 目標とするタイヤと土の表層部分,深層部分に解析対象を分けて,それぞれをFEM,DEMの並列処理により解析する技法については,計算機環境とその性能のハードウェア的な考察,用いる通信ライブラリ選択等のソフトウェア的な考察,ならびに実用的なプログラム作成時の主要な問題点についての検討を行なった.
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