研究課題/領域番号 |
12660233
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
山下 淳 愛媛大学, 農学部, 教授 (40036405)
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研究分担者 |
松本 勲 愛媛大学, 農学部, 助教授 (70036325)
鶴崎 孝 愛媛大学, 農学部, 教授 (50036323)
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キーワード | イチゴ栽培 / 省力化 / ガントリシステム / 耕うん作業 / 畝立て作業 / けん引作業 / レール狂い / 脱線 |
研究概要 |
イチゴ栽培における作業の省力化技術の一つとして、今年度は2畦を跨ぐ形のガントリによるロータリ耕うん、及び畦立て作業への適用性、登坂時におけるけん引性能、ハウス導入時に問題となる敷設レールの狂いに対する車輪の脱線域について明らかにした。 1.耕うん・畦立て作業への適用性、及び登坂時におけるけん引性能 耕幅120cm、爪数34本の耕うんロータリを搭載し、爪軸回転速度150及び244rpmで耕深11.5cmを耕うんした結果、耕うん動力は25cm/sで約0.82KWであること、耕進力による影響ですべり率が-9%程度になること、このため走行モータの電力が8.5〜12Wと耕うんなしの場合(約23W)より小さくなることが分かった。モータ容量200Wからみた畦立て作業速度の限界は、畦高さ11及び15cmで、18及び8cm/sであること、登坂時ですべりが少なく安定走行できるけん引力の大きさは、勾配5°の場合で35kg程度、すべり率100%時で45kgであった。モータ電力は、5°でも130Wと小さく問題なかった。 2.車輪の脱線域 脱線する理論限界を試作の片フランジ付き車輪(θ:47.3°)について計算し、脱線係数0.52を得た。両端支持の2本レールを外側へ広げ、ずれ量に対する輪圧P及び横圧Qを測定した。片フランジ付きは、ずれ量25mm付近で前輪浮上、30mmで脱線し、脱線係数Q/Pからの推測値(24mm)とほぼ一致した。この点、従来の両フランジ付き(θ:90°)は、ずれ量30mmでも走行できた。これは車輪が装着されるサイドフレームの形態がCantilever構造に近いことに起因するが、その分だけフレーム変形も大きいこと、一般台車ではずれ量5mmでも脱線することから考察できた。以上のことから、本ガントリはある程度のレール狂いに対応できるが、フレーム変形を少なくする必要から、摩擦抵抗が小さく、電力消費の少ない片フランジ付き車輪が有利であることが明らかとなった。
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