研究概要 |
1994年の4月22日及び5月24日のランドサットTMデータを用い、多時期の衛星データによる地表被覆分類及び一番草の収量予測を行った。 最短距離法による教師付き分類で地表被覆分類を行った結果、1時期のバンドデータと植生指数を利用したものは、分類精度が全体で74.1%及び84.9%、草地では48.0%及び66.1%だった。一方、主成分スコア及び各時期の植生指数を利用した多時期データでは、全体で87,6%、草地で70.7%と1時期のデータよりも高い精度で分類できた。多時期データは、幾何補正により2時期の画像を地図座標を重ね合わせ留ことによって作成した。しかし、多時期の分類では、プログラムの制約で最尤法が使えないため、今後変数変換などで使えるように検討する必要がある。 1時期のデータと多時期データからそれぞれの圃場ごとに各バンドと植生指数の平均値を算出し、この値と刈取りまでの日数を説明変数とし、乾物収量を目的変数とする重回帰分析を行った。その結果、刈取りまでの日数、比植生指数(RVI)、正規化植生指数(NDVI)が説明変数として多く選択された。このことから、刈取りまでの日数と植生指数は、重回帰式作成において重要な要因であったと考えられる。多時期のデータを用いた収量予測に加え、多時期データを用いて収量予測を行ったが、1時期の結果と大きな差は見られなかった。多時期データを用いても、説明変数に選択されるのは刈取り日により近い時期のデータであり、1時期のデータによる収量予測と大きな差が無いことが明らかになった。
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