研究課題/領域番号 |
12660243
|
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
渡邊 乾二 岐阜大学, 農学部, 教授 (70023447)
|
研究分担者 |
海老名 卓三郎 宮城県立ガムセンター, 研究所・免疫部, 部長
下山田 真 岐阜大学, 農学部, 助手 (60235695)
長岡 利 岐阜大学, 農学部, 助教授 (50202221)
|
キーワード | 卵白蛋白質 / オボムチン / 抗腫瘍活性 |
研究概要 |
卵白オボムチンは巨大分子の粘性のある糖蛋白質であり、α-とβ-サブユニットから構成されている。これらの両サブユニットの全分子構造と会合形態、及びそれらの食品機能に関連した特異的構造に関しては、ほとんど解析されていない。本年度は、α-サブユニットの一次構造と両サブユニットの抗腫瘍活性につき解析した。 α-サブユニットより得られた2種のフラグメントのアミノ酸配列からDNAプローブを作製し、遺伝子のクローニングを行った。その結果、約3.9kbの遺伝子を単離し、全塩基配列を決定した。しかしながら、得られた遺伝子は全長ではなくN末端を欠如したものと考えられた。そこで、遺伝子C末端側の配列をもとにspecific cDNA libraryとDNAプローブを作製し、遺伝子のスクリーニングを行った。新たに取得したN末端側遺伝子は全長が約2.7kbであった。これらを総合してα-サブユニットは全長で2108アミノ酸残基と結論した。これらはMUC2と高い相同性を示した。 プロナーゼ処理して得られたα-サブユニットのN末端から70kDaフラグメントの抗腫瘍活性を二重移植腫瘍系において試験した。フラグメントを直接処理した腫瘍細胞(Meth A線維芽細胞)の大部分が壊死した状態でほとんど完全に抑制したが、間接処理したものにおいては一部の細胞が変性した状態にあり完全阻害にはいたらなかった。フラグメント処理した部位に浸潤した好中球、マクロファージとリンパ球が腫瘍細胞を攻撃し、一方では毛細血管新生が大きく阻害されると示した。
|