研究概要 |
1.ホロホロチョウ(GF)の卵管子宮部内の卵が、滞留時間の経過に伴いいかなる卵形成上の変化を示すかを明らかにするため、子宮部内滞留時間が2,5,8,11,14,17及び20時間に相当するとみなされる時間に卵を採取し、卵殻部(卵殻膜を分離しない卵殻)のカルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)およびリン(P)濃度を測定した。卵殻部のCa濃度は子宮部内滞留2時間においてGFの方がニワトリ(WL)よりも高かったが、GFもWLもともに子宮部内滞留時間の経過に伴い上昇を示し、子宮部内滞留11時間以降ではWLの方がGFよりも僅かながら高い濃度を示した。Mg濃度はGFでは子宮部内滞留5時間から20時間にかけて直線的に上昇したが、WLでは14時間から20時間にかけて上昇した。子宮部内滞留20時間ではGFが約1.6倍の値を示した。P濃度はGFもWLもともに子宮部内滞留17時間から20時間にかけて顕著な上昇を示した。子宮部内滞留20時間のP濃度はGFとWLでは大差なかった。 2.[^<125>I]標識ニワトリカルシトニンを用いて、卵管子宮部粘膜組織の細胞膜画分について結合アッセイを行い、結合特異性、飽和性、可逆性、親和性、結合容量を検討した結果、卵管子宮部にカルシトニン(CT)レセプターが存在するものと推察された。そこで、放卵から次の放卵までのいろいろな時間におけるこのレセプターの結合親和性を比較した結果、放卵12時間前から1時間後にかけてレセプターの結合親和性は高く、最大結合容量は放卵6時間前から1時間後にかけて低下した。
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