研究概要 |
ホロホロチョウ卵の厚くて硬い卵殻がどのような機構によって形成されるのかを明らかにしようとした。1.ホロホロチョウ卵の卵殻部の厚さと重量が大きいことは,卵殻膜が厚いことと,その表面に沈着するミネラルの量が多いことによると思われる。2.ホロホロチョウとニワトリのどちらも卵の大きさは子宮部滞留8時間までに決まる 3.ホロホロチョウ卵において卵の大きさが小さいことと,卵白量が少ないことは,卵管膨大部におけるエストロゲン受容体の結合性が低いことと,卵が子宮部に入ってから8時間までにおける卵の膨張の程度が小さいことによるものであろうと思われる。4.ホロホロチョウ卵の卵殻重量は,38週齢から70週齢までの間に大きな変化は無く,この間卵重の変化も小さいことから厚く硬い卵殻を維持していた。5.GFでは卵殻膜が厚いこととWLよりも長期間活発な卵殻形成が継続するため,卵殻が厚くなるものと思われる。6.ホロホロチョウ卵管子宮部内膜の膜画分における副甲状腺ホルモン(PTH)受容体の結合特性を,[^<125>I]PTH関連ペプタイドを用いた結合実験により追求した結果,PTHまたはPTHrP受容体がホロホロチョウ卵管子宮部の組織に存在し,それらとPTHの結合が卵殻形成に関与しているかもしれないことが示唆された。7.[^<125>I]標識ニワトリカルシトニン(cCT)を用いて,卵管子宮部粘膜組織の細胞膜画分についてcCT受容体の結合特性を結合アッセイにより追求した結果,卵管子宮部にカルシトニン(CT)レセプターが存在し,卵殻形成との関係を示唆する変動を示した。
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