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2000 年度 実績報告書

ウシ及びウマにおける除核未受精卵の保存と核移植に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 12660252
研究機関信州大学

研究代表者

花田 章  信州大学, 繊維学部, 教授 (80273077)

研究分担者 平林 真澄  (株)ワイエスニューテクノロジー研究所, 発生工学研究室, 室長
保地 眞一  信州大学, 繊維学部, 助教授 (10283243)
キーワード核移植 / クローン / 凍結保存 / 除核 / LAA / エチレングリコール / ウシ / ウマ
研究概要

核移植によってクローン動物を作製するためにはドナー核のリプログラミングと再構築後の胚発生を支持する除核未受精卵が必要で、本研究はこの除核未受精卵の凍結保存技術を開発することを目的に進められている。既に報告したように、ウシ卵子は除核前や除核直後よりも除核してから活性化誘起のために一定時間おいたものの方がその耐凍性が高くなる(Itoら、Mol.Reprod.Dev.1999)。そこでこの除核・活性化後の除核未受精卵を用い、体外受精由来胚の耐凍性を改善する効果のあるリノール酸アルブミン(LAA)を体外成熟・除核・活性化誘起といった一連の除核未受精卵の調製過程の全培養液に添加することでこれら除核未受精卵の耐凍性の改善を試みた。再構築胚の融合率にLAA添加の有無による差は認められなかったが、LAA添加培地で調製した除核未受精卵由来の胚盤胞発生率(14%)はLAA未添加区の値(4%)よりも有意に高くなった(Hochiら、J.Vet.Med.Sci.2000)。これらはエチレングリコールを凍害保護物質として用いた常法の二段階凍結法による結果だが、最近になってウシ卵母細胞に有効な超低温保存法として超急速冷却行程を特徴とするガラス化保存法が注目されはじめている(保地、胚移植学雑誌2000)。そこで外径の異なるガラスキャピラリーを凍結容器として使い、ウシ成熟卵母細胞の冷却速度と加温後の体外受精率との関係づけを試みた。そして外径1.4mmのキャピラリーを用いて毎分3000℃で超急速冷却することによって非冷却区と遜色のない体外受精成績を得ることに成功した(Hochiら、Cryobiology2001)。しかしその後の胚盤胞までの発生能を調べたところこれらのガラス化ウシ卵母細胞はけっして無傷とは言えず、除核未受精卵に適用する方法としては改善の余地が残された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Shinichi HOCHI: "Nuclear Transfer in Cattle : Effect of Linoleic Acid-Albumin on Freezing Sensitivity of Enucleated Oocytes"Journal of Veterinary Medical Science. 62・10. 1111-1113 (2000)

  • [文献書誌] 保地眞一: "ウシ未受精卵ならびに前核期卵の超低温保存"日本胚移植学雑誌. 22・1. 17-22 (2000)

  • [文献書誌] Shinichi HOCHI: "Effects of Cooling and Warming Rates during Vitrification on Fertilization of In-Vitro-Matured Bovine Oocytes"Cryobiology. (Accepted). (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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