研究分担者 |
島田 昌之 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 助手 (20314742)
SHIMADA masayuki Animal reproduction, Graduate School of Biosphere Sciences, Assistant Professor (20314742)
SHIMADA masayuki Animal reproduction, Graduate School of Biosphere Sciences, Assistant Professor (20314742)
SHIMADA masayuki Animal reproduction, Graduate School of Biosphere Sciences, Assistant Professor (20314742)
SHIMADA masayuki Animal reproduction, Graduate School of Biosphere Sciences, Assistant Professor (20314742)
|
研究概要 |
ブタ精子を2-hydroxypropyl-beta-cyclodextrin(HBCD)あるいはmethyl-beta-cyclodextrin(MBCD)が精子の温度衝撃に対する抵抗性および耐凍能にどのような影響を及ぼすかを検討した.その結果,温度衝撃を与えた精子および凍結融解処理を行った精子の生存率,前進運動精子率,運動速度の何れも,それらの物質(HBCD, MBCD)に曝されなかった精子に比べて有意に高い値を示した.また,HBCDあるいはMBCDとcholesterol-3 sulfateに同時に曝した精子の生存率,前進運動精子率,運動速度はHBCDあるいはMBCDだけに曝した精子よりも有意に低い値を示した.これらの観察結果から精子の形質膜のコレステロール含量を人為的に変化させる,すなわち減少させることは精子の温度衝撃に対する抵抗性および耐凍能を向上させることが明らかにされた. 次にブタ精子の耐凍能の低い理由は精子の細胞膜のコレステロール含量が多く膜の流動性が低いからかどうか明らかにすることを目的に,精漿と精子の接触する時間と耐凍能および受精能との関係について検討した.採精後出来るだけ速く洗浄した精子を希釈液あるいは射出精液精漿に浮游させ,両精子を凍結保存し,融解させた精子の運動パラメターおよび受精能力に関係するパラメターを測定した.その結果,希釈液に浮游された区の融解精子における運動パラメターは,全て,精漿に浮游させた区に比べて有意に高い値を示した.また,希釈液に浮游させた区における融解精子の卵子への侵入率,および先体反応誘起率ともに,精漿に浮游させた区に比べて著しく高い値を示した.これらの結果から,ブタの射出精液精漿は精子の耐凍能を低下させる因子を含むと結論された.
|