研究概要 |
実験1:食道溝反射を維持させたホルスタイン種雄子牛16頭(182.8±3.8kg)を4区に分け、トウモロコシ/大豆粕を主原料とする3種類の濃厚飼料と稲ワラの給与割合、および1日当たり給与量を変えてCP摂取日量を2.5および3.4g/kg体重の2水準、TDN摂取日量についても14.0および19.0g/kg体重の2水準とした。各区に1日20gのDL-Metを朝夕2回に分けて食道溝経由で2週間投与し、最終5日間のN出納、および最終日朝に頚静脈から採血した。その結果、N蓄積量はCP、TDN摂取日量が多いほど増加した。血漿遊離Met濃度はCP摂取日量が少ないほど増加したが、血漿側鎖アミノ酸(Leu,Ile,Val)およびPhe濃度は主としてTDN摂取日量の影響を受け、その摂取量が多いほど増加した。 実験2:食道溝反射を維持させたホルスタイン種雄子牛30頭(148.9±1.5kg)にトウモロコシ/大豆粕を主原料とする濃厚飼料と稲ワラを基礎飼料として給与し、6頭ずつ5区に分けて食道溝経由でL-LysHClを1日に0,20,40,60,80gずつ朝夕2回に分けて1週間投与した。その結果、L-LysHClの増加とともに飼料摂取量は減少したが、飼料効率(増体量/飼料)には影響がなかった。L-LysHCl投与により血漿Lys濃度は増加したが、Arg濃度には影響がなかった。また、L-LysHCl80g/日の投与によって糞水分含量が増加した。 実験3:成猫8頭(雄雌4頭ずつ、平均約4kg)を4区に分け、DL-Metを0,1,2,3%添加したドライフードを2週間不断給与した。体重は全区で変化がなかったが、採食量は3%区で一時減少し、インバランスの発生が示唆された。DL-Met添加量の増加とともに血漿Met濃度が増加し、血漿側鎖アミノ酸およびPhe濃度は減少した。
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