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2001 年度 実績報告書

レセプターと宿主域の関連から予測するロタウイルス感染症の流行

研究課題

研究課題/領域番号 12660284
研究機関岐阜大学

研究代表者

杉山 誠  岐阜大学, 農学部, 助教授 (80196774)

研究分担者 山本 欣郎  岐阜大学, 農学部, 助手 (10252123)
源 宣之  岐阜大学, 農学部, 教授 (10144007)
キーワードロタウイルス / 発現精製VP8 / レセプター / 宿主域 / 腸管組織 / 病原性
研究概要

七面鳥由来ロタウイルスTy-3株のVP8遺伝子をクローニングし、その推定アミノ酸配列を決定したところ、既報と5カ所の違いがあった。現在、大腸菌での発現を試みている。
年度当初、このTy-3株とハト由来PO-13株のキメラVP8の解析からレセプターとの結合部位を同定し、各ウイルスの宿主に対する感染性を予測する計画であった。最近、Tihovaら(J.Mol. Biol. 314, 985-992, 2001)によって、VP8上の188番目のアミノ酸周辺βバレル構造が宿主のシアル酸レセプターと結合すると報告された。そこで、この情報をもとに各種ロタウイルスのアミノ酸配列を解析したところ、188番目のアミノ酸はチロシンと完全に保存されているものの周辺領域には変異が多く見られ、各ロタウイルスの宿主域との間で法則性は認められなかった。
以上のことを踏まえ、本研究の遂行のため前年度行った培養細胞におけるロタウイルスの感染性とレセプターとの関連性に関する実験を動物に置き換えることとした。まず、私たちが明らかにしてきたトリロタウイルスの哺乳マウスに対する病原性の違いに着目した。すなわち、これまでに私たちはPO-13株は哺乳マウスに下痢を起こすが、Ty-3株は下痢を起こさないことを見いだしている。そこで、この差が両ウイルスのレセプターの違いによるものかどうかを検討するために、両者の交雑ウイルスを作出した。その結果、このTy-3株の非病原性は、VP7を介した胃内容物によるウイルスの不活化とVP8の前駆体VP4を介した腸内での感染阻止によることが明らかとなった。これは、哺乳マウス腸内でのVP8に対するレセプターの発現が感染性すなわち宿主域を決定する因子である可能性を示唆している。現在、哺乳マウス腸内の両ウイルスVP8に対するレセプターの分布について、発現VP8を用いて検討を進めている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] H.Ito: "Complete nucleotide sequence of a group A avian rotavirus genome and a comparison with its counterparts of mammalian rotaviruses"Virus Research. 75. 123-138 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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