研究課題/領域番号 |
12660286
|
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
馬場 栄一郎 大阪府立大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (70081594)
|
研究分担者 |
谷 浩行 大阪府立大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (00305658)
宮本 忠 大阪府立大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (40264816)
笹井 和美 大阪府立大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (70211935)
|
キーワード | サルモネラ / Salmonella Enteritidis / ニワトリ / たまご / 感染臓器特異性 / NO / マクロファージ / サイトカイン |
研究概要 |
Salmonella Enteritidis (SE)の特異的な鶏卵汚染と生殖器感染性の関係を明らかにし、鶏の臓器特異性機構の解明を目的とした。SEの他に、鶏から高頻度に分離される6種類の血清型を用いて、卵管内接種後の汚染卵産出頻度と各臓器への感染性の比較、および卵管膣部組織への細胞付着性の違いを調べた。また、SEに対する宿主の感染防御機構を理解するため、SE由来の抗原で刺激した鶏マクロファージの反応を解析した。その結果以下の結果を得た。 1)SEは卵管上皮への高い親和性を持ち、卵管内に持続的に定着するため、絶えず卵殻を汚染することが判明した。すなわち、卵殻表面への付着菌数が絶対的に他の血清型よりも高いために卵殻内への侵入菌数も増え、卵殻内面の汚染率も高くなるものと推測された。2)SEのマクロファージに対するNO産生能はS.Typhimurium(ST)よりも強く、なかでも鞭毛抗原に対する反応が顕著であり、血清型による感染性の違いが鞭毛の抗原性に起因する可能性が示唆された。マクロファージの死滅はST感染で認められたのに対してSE感染においては認められず、加えてSE感染時では非常に高いNO産生が誘導された。また、SE感染時にはIFN-γ産生能を有するT細胞の関わる細胞性免疫が重要な働きを担っていることが示唆された。
|