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2000 年度 実績報告書

ゼブラフィッシュを用いた環境ホルモンによる催奇形性発現機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 12660288
研究機関酪農学園大学

研究代表者

平賀 武夫  酪農学園大学, 獣医学部, 教授 (30112577)

研究分担者 寺岡 宏樹  酪農学園大学, 獣医学部, 講師 (50222146)
キーワード環境ホルモン / 催奇形性 / ゼブラフィッシュ / ダイオキシン / スズ / エストロゲン / 動物実験モデル / 分子生物学
研究概要

今回の研究では、最も単純な脊椎動物モデルとして利用が急増しているゼブラフィッシュ(ゼブラ)を用い、環境ホルモンの毒性、なかでも発生初期胚に対する毒性を検討した。環境ホルモンとしてはダイオキシン(2,3,7,8-tetrachrolodibenzo-p-dioxin:TCDD)と有機スズ(tributyl tin:TBT)を、また、天然エストロゲンである17β-estradiol(ES)を受精直後のゼブラ胚に暴露し、おもに死亡率と形態異常を観察した。
1.使用した3種の物質すべてにおいて濃度に依存して死亡率の上昇および様々な奇形発現率の上昇が認められた。
2.TCDD暴露によって心臓周囲を始め各部位に浮腫が観察され、顎の形成不全を含む頭部の異常も高頻度で認められた。TBT暴露ではTCDD暴露と似た奇形発現がみられた他、尾鰭の形成不全も認められた。ES暴露では心臓周囲の浮腫に加え、脊柱の彎曲が認められた。形態形成に関与する遺伝子の発現に対する影響をin situ hybridization法で観察したところ、ES暴露群の尾方においてMyoDの発現が欠失していることを確認した。
以上のことから、今回の実験で用いているゼブラは環境ホルモンの毒性を実験室内で短時間に検討できること、さらにはその毒性発現機序を分子レベルで検討することが可能であることから、人を始め哺乳動物に対する毒性の評価系として有用であると考えている。平成13年度には、今回観察された奇形発現の機序を解明するため、estrogen受容体あるいはarylhydrocarbon受容体の作動薬および阻害薬を用いる実験、および蛍光色素注入による神経堤細胞の移動を観察する計画を予定している。さらに、これまでの研究成果を発表するための論文作成を今年度に引き続き行ってゆく。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Dong,W.,Teraoka,H.,Kondo,S,and Hiraga,T.: "2,3,7,8-tetrachlorodibenzo-p-dioxin induces apoptosis in the dorsal midbrain of zebrafish embryos."Neuroscience Letters. (in press). (2001)

  • [文献書誌] Teraoka,H.,Ogawa,S.,Dong,W.,Hiraga,T,and Ueno,N.: "The mechanism of retardation of jaw growth by TCDD in early zebrafish embryos."Toxicologist. 54. 137 (2000)

  • [文献書誌] Teraoka,H.,Maruyama,Y.,Takehana,K.Iwanaga,T.,Hiraga,T.,Fujita,S.and Ohta,T.: "Ca^<2+> signaling in porcine duodenal glands by muscarinic receptor activation."American Journal of Physiology. (in press). (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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