研究課題/領域番号 |
12660290
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
椿 志郎 北里大学, 獣医畜産学部, 教授 (70050507)
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研究分担者 |
角田 勤 北里大学, 獣医畜産学部, 助手 (80317057)
高井 伸二 北里大学, 獣医畜産学部, 助教授 (80137900)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | ロドコッカス・エクイ / 感染免疫 / マウス / サイトカイン / 免疫記憶 / T細胞 |
研究概要 |
ロドコッカス・エクイ生菌による能動免疫の効果は免疫後2週間以内という極めて短い期間で消失してしまう。その原因を探るために、今年度は種々の表面マーカー分子の発現をフローサイトメトリーで調べることでT細胞の活性化とその後の消長を追跡した。また、Th1系の細胞を抑制することが知られているIL-10などがこの現象に関与していないかも併せて検討した。(1)マウス体内で免疫後IL-10が作用する時期について検討するため、免疫マウスに抗IL-10抗体を投与する時期を免疫1時間前、免疫1及び2週目と変えて強毒株死菌、リステリア死菌及び抗CD3抗体刺激により培養したマウス脾細胞から産生されるサイトカイン量を測定した。IFN-γ産生量は免疫1時間前投与マウスと免疫2週目投与マウスでIL-10未投与マウスに比べると、高濃度に検出されたが、特に免疫2週目投与マウスでIL-10未投与マウスに比べIFN-γ産生量は2倍になった。TNF-α産生量は免疫1時間前に抗体を投与したマウスでIL-10未投与マウスと比べ2700pg/ml前後と最も高濃度に検出された。IL-12産生量は免疫1週目に抗体を投与したマウスでIL-10未投与マウスに比べ、最も高濃度に検出された。(2)T細胞自体の活性に関する検索:T細胞が活性化した時に増加するCD44と減少するCD62L表面抗原と、免疫成立時に分化するメモリー細胞で減少するCD45RB表面抗原について検討した結果、CD62Lの発現率は正常マウスに比べ免疫1週目マウス脾細胞で減少したことにより、T細胞の活性化が確認されたが、免疫3週目マウス脾細胞で正常マウスと比較して変化が見られなかった。また、その他の表面抗原の免疫期間による変化は確認されなかった。これらの結果から、免疫成立時のメモリー細胞への分化が行われず、またT細胞の免疫3週目以降の活性化が消滅している可能性があると思われた。
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