製紙原料以外の用途への古紙のリサイクルを目的として、新聞古紙を原料とする活性炭を調製した。古紙活性炭の比表面積は、古紙炭化物からの収率と相関し、収率40%(古紙からの収率10%)で最大838m^2/gとなり、市販活性炭の比表面積とほぼ同程度であった。古紙活性炭のミクロ孔容積は、古紙炭化物からの収率40%で0.368mL/g、メソ孔容積は収率30%で0.186mL/gで最大となった。市販活性炭と比較すると、ミクロ孔容積はほぼ同程度であったが、メソ孔容積は大きかった。また、賦活の進行はメソ孔比率を増加させた。古紙活性炭は市販活性炭に比べメソ孔からマクロ孔にかけた細孔領域が発達していた。 古紙からの炭化物の窒素吸着法による細孔容積及び比表面積は炭化温度800℃で最大値を示し、多くの市販木炭に比べ同等以上であった。炭化温度800℃で調製された炭化物が最も高いよう素吸着量を示した。調湿能力は600〜700℃の炭化物が高かった。 リサイクルが難しいとされている廃フェノール樹脂と雑誌古紙から、フェノール樹脂接着剤を用いてパネルを作製し、さらに二酸化炭素賦活法で吸着性能を有する炭素系パネルを調製した。パネルの曲げ強度特性を調べたところ、炭化処理で曲げ弾性率(MOE)が増加した。ところが、二酸化炭素賦活によりMOEと曲げ強さ(MOR)が低下した。一方、炭素系パネルの比表面積は、廃フェノール樹脂を含まないパネルで670〜990m^2/g、廃フェノール樹脂を含むパネルでは650〜760m^2/gであり、細孔構造の発達がみられた。
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