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2002 年度 実績報告書

ヒゲカビchitin deacetylase遺伝子のクローニングとその利用

研究課題

研究課題/領域番号 12660298
研究機関関東学院大学

研究代表者

丸山 肇子 (村山 肇子)  関東学院大学, 工学部, 教授 (10088883)

研究分担者 宮嵜 厚  東北大学, 大学院・生命研究センター, 助手 (70219757)
キーワードキチン / キトサン / ヒゲカビ / キチンデアセチラーゼ / PbCDA / PbCD / PET-32Ek / LIC / 膜結合ドメイン
研究概要

キトサンは包帯・縫合糸・傷口保護用粉剤等の医療材料として、また健康食品や土壌改良剤として用いられ、利用範囲の広さにより年々その需要が高まっている。現在、工業的にはキチンを高濃度のアルカリ処理による脱アセチル化によりキトサンを合成しているが、その際に生じる高濃度アルカリの廃液が大きな問題である。
そこで、接合菌類ヒゲカビのchitin deacetylase遺伝子をクローニングし、このクローンで大腸菌を形質転換し、大腸菌にchitin deacetylase大量に生産させ、これを工業的にキチンをキトサンに変換するために用いることを目的として研究を行った。
既に報告されている多糖類デアセチラーゼに共通なアミノ酸配列に対するプライマーを作成、ヒゲカビのゲノムDNAを鋳型としてPCRによりケカビのクローンと高い相同性を持つ約200塩基対のDNA断片を合成し、この断片をプローブとしてヒゲカビcDNAライブラリーからポジティブクローンをスクリーニングした。その結果1種類のクローンが分離され、このクローンのコードするであろうタンパク質は459アミノ酸から成り、配列がKafetzopoulosらのケカビキチンデアセチラーゼとよく似ていることから、このタンパク質はヒゲカビのキチンデアセチラーゼであろうと考えられ、PbCDAと名付けた。また、クローンニングされた遺伝子はPbCDと名付けGenBankに登録した。咋年度はこのクローンを大腸菌の発現ベクターpET-32Ek/LICに連結しsolubleな状態で発現させることができた。しかし、思ったほど高い活性を発現させることが出来なかったので、本年度はN末端に分泌のためのシグナルとC-末端に膜結合ドメインを除くことによる活性への影響などを検討した。ヒゲカビ細胞壁においてキトサンの割合が高く、胞子嚢柄が膨らんでしまう4種類の突然変異体に於ける突然変異についての知見を得るべく、各突然変異体のPbCDゲノムDNAをクローニングしてORFの塩基配列を解析したが、いずれもORF内には突然変異を持っていないことが明らかとなり、この突然変異からは活性を高めるに当たっての情報は得られなかった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 宮嵜厚, 今村健吾, 村山肇子: "接合菌ヒゲカビのキチン合成遺伝子とキチンデアセチラーゼ遣伝子"キチン・キトサン研究. 8・2. 126-127 (2002)

  • [文献書誌] Ootaki, T., Miyazaki, A., Choi, K.S.: "Positional defferntiation for development along the sponangiophore in Phycomyces blakesleeanus"Mycosience. 43・3. 239-245 (2002)

  • [文献書誌] 今村健吾, 宮嵜厚, 村山肇子: "ヒゲカビキチンデアセチラーゼ遣伝子のクローニング及び大腸菌に於ける発現"キチン・キトサン研究. 7・2. 158-159 (2001)

  • [文献書誌] Imamura, K., 他5名: "Cloning of chitin deacetylse gene from Phycomyces blakesleeanus"Fungal Genetics Newsletter. 48S. 148-148 (2001)

  • [文献書誌] 吉田秀司, 今村健吾, 宮嵜厚, 村山肇子: "ヒゲカビchitin deacetylase遺伝子のクローニング"関東学院大学工学総合研究所報. 29号. 1-7 (2001)

  • [文献書誌] 村山肇子: "宍戸和夫編「キノコとカビの基礎科学とバイオ技術」のうちの「菌糸成長と形態形成」"アイピーシー. 564(16) (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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