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2001 年度 実績報告書

終末シュワン細胞の形態変化と細胞接着-立体微小解剖と免疫組織化学による解析

研究課題

研究課題/領域番号 12670001
研究機関北海道大学

研究代表者

岩永 ひろみ  北海道大学, 大学院・医学研究科, 助手 (30193759)

キーワード知覚神経終末 / 終末シュワン細胞 / S100蛋白 / 免疫組織化学 / 微細構造
研究概要

皮膚の知覚装置に随伴する終末シュワン細胞が、体成長に伴う組織の改変でどのような形態変化を示すかをしらべる目的で、毛の動きを検知する槍型神経終末を、成長の著しい2-3週令と、成熟した6週令のラット頬部洞毛で比較した。槍型終末を含む毛包周囲結合組織を酵素処理によって膜状に剥離し、ホルマリン固定した後、グリア特異蛋白S100に対する抗体を用いた免疫蛍光染色を施してシュワン細胞を標識し、細胞の立体構築をレーザー共焦点顕微鏡で解析した。また、グルタルアルデヒド灌流固定した組織を常法に従って樹脂包埋し、連続超薄切片を作製して、シュワン細胞と周囲構造物との関係を透過電顕で追跡した。共焦点顕微鏡でみた成熟ラット槍型終末では、毛軸方向に伸びた槍刃状の軸索終末より数十ミクロン近位側に、終末シュワン細胞の丸い細胞体がみられ、そこから一本の太い索状突起が槍型終末まで伸びて、終末を包む鞘を形成した。一方、幼若ラットでは、こうした単極性終末シュワン細胞の他、細長い細胞体をもち、多数の細い突起を放射したS100陽性細胞が、槍型終末の側方や先方に、少し離れて見出された。多極性細胞の突起の多くは、毛包基底膜に向かい、基底膜直下を毛軸方向に走行した。また、幼若ラットでは、単極性シュワン細胞と多極性細胞の中間型が、多く見出された。透過電顕でみた多極性シュワン細胞は、基底膜に包まれ、細胞膜に多数の小窩をもつ点で、単極性終末シュワン細胞と共通の特徴を示した。多極性シュワン細胞は、細い突起を毛包基底膜の膠原細線維に沿って伸ばし、ときに、細い神経軸索を抱え込んでいた。これらの観察結果は、膠原細線維と親和性をもつ多極性シュワン細胞が、槍型終末の形成と、その毛軸に沿った規則正しい配列に関与する可能性を示唆する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Takahashi-Iwanaga, H.: "Postnatal development of terminal Schwann cells associating with lanceolate nerve endings in rat vibrissae"Acta Anatomica Nipponica. 77suppl. 85 (2002)

  • [文献書誌] Takahashi-Iwanaga, H.: "Three-dimensional microanatomy of mechanoreceptors and their possible mechanism of sensory transduction"Italian Journal of Anatomy and Embryology. 106 suppl. 481-487 (2001)

  • [文献書誌] Takahashi-Iwanaga, H., Abe, K.: "Scanning electron microscopic observation of Merkel cells in the lamprey epidermis"Acta Anatomica Nipponica. 76. 375-380 (2001)

  • [文献書誌] Takahashi-Iwanaga, H., Habara, Y.: "ATP-evoked calcium responses in terminal Schwann cells of lanceolate sensory endings isolated from rat vibrissae"Neuroscience Letters. (in press).

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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