研究概要 |
(1)線毛を伸長した基底小体には、striated rootlet,basal foot,transitional fiberなどの付属構造が付随している。Striated rootletの205/215kDaの蛋白を認識する6個のラットモノクロナル抗体を作製して、その局在について免疫組織化学的に様々な組織を用いて検討した。ヒト卵管分泌細胞の孤立線毛に付随するrootletは、分枝、ループ状、星型等の多様な形態を示した。Rootletの長さは3.83nmで、閉経後は3.53nmに有意に短くなった(P=0.038)。作製したモノクロナル抗体とヒト肺cDNAライブラリーを用いて、抗体の認識する蛋白質をコードしているcDNAのスクリーニングを行って44個の陽性クローンを獲得し、現在DNAシークエンスについて解析している。 (2)線毛と孤立線毛の付属構造におけるgamma-tubulinの局在について免疫組織化学的に解析した。基底小体の側方から伸びでているbasal footにgamma-tubulinが局在していることをはじめて超微形態レベルで証明した。 (3)孤立線毛を伸長した基底小体と、それと対をなす中心子との間に、striated connectorを見出し、電顕、免疫電顕的に解析した。Striated connectorの横紋の周期は54nmで、striated rootletと比較して15nm短かったが、免疫電顕により、両者が共通の蛋白分子から構成されていることを明らかにした。 (4)線毛の形成に関わらず、中心子にrootletが付随していることを組織化学的に証明した。細胞周期のG2/M期において、中心子が移動する際のrootletの形態変化について解析した。
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