研究概要 |
(1)根小毛striated rootletは、線毛を伸長した基底小体の付属構造であり、線毛発生に特異的に出現するfibrous granuleから形成される。根小毛の構成蛋白質から、striated rootletの構成分子、さらには線毛発生における機能因子を解明することを目的として本研究を行った。根小毛を認識する抗体(R67,R155)とヒトHeLa細胞のcDNAライブラリーを利用して、抗体の認識する蛋白質をコードしているcDNAのスクリーニングを行って、5個の陽性クローンを獲得し、DNAシークエンスについて解析した。 (2)一対の中心子は、intercentriolar linkによって結合している。孤立線毛を伸長した基底小体とそれとペアの中心子とを連絡する横紋構造を発見し、striated connectorと命名した。この構造について電顕的免疫組織化学的に解析し、striated rootletとstriated connectorは、共通の蛋白分子から構成されていることを明らかにした。 (3)顎下腺における孤立線毛形成、及び中心子と根小毛の関係について、形態学的に解析した。孤立線毛は、筋上皮細胞において2-8%に観察された。根小毛は、孤立線毛の形成とは無関係に、中心子に恒常的に付随していた。特に中心子が細胞先端部に位置する、線条部の上皮細胞において、著明に発達していた。これらの結果は、rootletは中心子の付属構造として常に存在しており、中心子の位置の決定に関与していることを示唆する。 (4)幼若マウス卵巣を用いて、卵胞発育に対する男性ホルモン、及び女性ホルモンの効果を、in vitroの培養系を用いて検討した。男性ホルモン(dehydroepiandrosterone)には、卵胞発育と細胞増殖効果があったが、女性ホルモンにはなかった。
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