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2001 年度 実績報告書

fyn遺伝子欠損マウス精巣に見られる形態異常とFynチロシンキナーゼ機能の解析

研究課題

研究課題/領域番号 12670007
研究機関千葉大学

研究代表者

前川 眞見子  千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (20181571)

研究分担者 外山 芳郎  千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (70009637)
キーワードFyn / チロシンキナーゼ / 精子形成 / セルトリ細胞 / 精巣 / ノックアウトマウス
研究概要

1.fyn遺伝子欠損マウスと野生型マウスの3週齢精巣の精細管の直径を比較した。その結果、fyn遺伝子欠損マウス精巣では113±13μm、野生型では123±13μmで、fyn遺伝子欠損マウス精巣の精細管径が有意に減少していた。また、精巣重量について調べたところ、3週齢および4週齢では野生型マウス精巣に較べて有意に減少していたが、成熟精巣では有意差が見られなくなった。
2.fyn遺伝子欠損マウスの精巣には、ectoplasmic specialization(ES)と呼ばれる、セルトリ細胞特有の接着装置に微細形態的な異常、すなわちアクチン細糸層における異常な小胞が見られる。その異常について計測するため、電顕標本を作製した。生後3週齢精巣では観察したESのうち66%(119/180)、成熟精巣では33%(48/145)が異常なESであった。また異常な小胞の数は3週齢に較べ成熟精巣で減少していた。
3.抗リン酸化チロシン抗体を用いて、野生型マウス精巣を免疫染色したところ、ESの存在する部位近辺に特に強い反応が見られた。fyn遺伝子欠損マウス精巣では、この免疫染色反応が弱かった。ESにはFyn蛋白も多く局在することから、FynがESにおいて何らかの作用を及ぼしていることが考えられる。
4.セルトリ細胞株TM4はFyn蛋白を発現している。そこでTM4を用いて二次元Western blot法により調べたところ、diethylstilbestrol(DES)を始めとするいわゆる内分泌攪乱化学物質を処理した場合、特定の蛋白のチロシンリン酸化が亢進することがわかった。チロシンキナーゼであるFynとの関連が示唆される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] M. Maekawa et al.: "Fyn tyrosine kinase in Sertoli cells is involved in mouse spermatogenesis"Biology of Reproduction. 66. 211-221 (2002)

  • [文献書誌] Y. Toyama et al.: "Neonatally administered diethylstilbestrol retards the development of the blood-testis barrier in the rat"Journal of Andrology. 22. 413-423 (2001)

  • [文献書誌] J. Yuasa et al.: "Specific localization of the basigin protein in human testes from normal adults,normal juveniles,and patients with azoospermia"Andrologia. 33. 293-299 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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