研究課題/領域番号 |
12670018
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
川渕 優 九州大学, 医学研究院, 教授 (80037449)
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研究分担者 |
倉岡 晃夫 九州大学, 医学研究院, 講師 (30253412)
平田 和穂 九州大学, 医学研究院, 講師 (00037425)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | 免疫組織化学 / 加齢 / 神経再生 / シュワン細胞 / 神経筋接合部 / 神経栄養物質 / アセチルコリン受容体 / 神経細胞 |
研究概要 |
ラット坐骨神経を圧挫損傷後、再生過程にある老年筋NMJでは終末シュワン細胞とアセチルコリン受容体(acetycholine receptors、AChRs)部位に損傷と遷延性の形成不全が見出される。今回の研究ではこれらの変化とシグナル機構との関連を解明することを目指した。ヒラメ筋切片を作成し、先ず、NMJの構成要素(軸索、シュワン細胞、AChR部位)を標識し、これらの構造とシグナル関連物質(neuregulin(NRG)とその受容体(erB2、erB3)、glial cell line-derived neurotrophic factor(GDNF))の発現様式を免疫組織化学的に解析した。次にNRG/erbB signalingはAChRsの形成に関わることが知られているので、α-bungarotoxinで標識されるAChR部位においてdystrophin(DYS、後シナプス細胞骨格蛋白)の発現様式を解析した。観察は術後の4-12週、再生軸索がNMJに到達し、NMJの再生が進展する時期に行なった。 (結果)1.若年筋ではNRGは再生軸索の全長に分布し、成長円錐または終末に至る。NRG受容体のerB2とerB3はシナプスひだと終末シュワン細胞に分布する。NRG/erB2(or erB3)の発現は述後4週をピークとして一過性に強まった。GDNFは再生シュワン細胞索とシナプス部位(シナプスひだと終末シュワン細胞)に発現した。GDNFの発現は再生が進むにつれて増強し、述後8週には多数のNMJが強陽性を示した。老年筋では、NRG, erB2(or erB3)、GDNFいずれのシグナル関連物質も発現の異常(遅れ、微弱、形成不全)を示した。2.若年筋では述後8週以降、殆ど全てのNMJでAChR部位は正常に戻るが、老年筋ではAChRsの分布に異常や喪失が頻繁に認められる。これらの変化はDYSの形成異常(微弱、部分的欠如)を伴った。 (結論)(1)前シナプスと後シナプス部位間の相互作用はNMJの再生や構造的分化すなわち、生理学的機能の回復に重要である。老年筋で示された所見はNMJの再生不全に関連すると考えられる。(2)老齢モデルはNMJにおけるシグナル機構の障害を研究するため有用である。
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