• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2001 年度 実績報告書

リンパ管の細胞回収機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 12670020
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

江崎 太一  東京女子医科大学, 医学部, 教授 (10128259)

キーワードリンパ管 / モノクローナル抗体 / 内皮細胞 / リンパ球 / 樹状細胞 / リンパ管転移 / 細胞接着 / レクチン様受容体
研究概要

本年度は、マウス由来の良性リンパ管腫を免疫原として作成したラットモノクローナル抗体(LA102)を用いてリンパ管に特異的と思われる機能分子の解析を中心に行った。
1.LA102抗原の生化学的性状と光顕ならびに電顕レベルでの局在の検索:
LA102抗原は、マウスリンパ管内皮に局在し、血管には存在しなかった。分子量約27-30kdで、従来リンパ管に選択的とされているLYVE-1やPodopraninなどの分子とは異なる全く新しい分子であった。
2.リンパ管内皮およびその周囲組織内に特に強く発現する物質の証明:
組織内の細胞移動に関与すると思われる細胞外基質やケモカインおよびそれらに対するレセプターの局在とその変化を免疫組織化学的に検索するとともに、LA102の認識する分子との形態学的・機能的相関関係を引き続き比較検討中である。
3.証明された物質の分子機能の実証:
驚いたことにLA102抗原はリンパ管のみならず循環型の成熟Tリンパ球などの表面にも存在することから、この抗原がリンパ管とリンパ球との特異的な認識機構に関与する可能性が示唆された。そこでLA102が認識するいくつかのマウスT細胞株を用いて細胞遊走・接着の阻害試験をすることによって、組織切片上でリンパ管とこれらの細胞の接着が起こるか?、抗体によってその接着を阻止可能か?などの点について現在検討中である。
4.結果の総括と考察、並びに研究成果の発表:
以上の研究成果の一部を第25回日本リンパ学会総会(平成13年6月15日、浜松)でのワークショップ並びに第89回日本解剖学会関東支部学術集会(平成13年10月13日、府中)での特別講演で発表した。また、第107回日本解剖学会総会(平成14年3月30日、浜松)で発表予定であるとともに、国際的雑誌に投稿準備中である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Saiki T, Ezaki T, Ogawa M, Matsuno K: "Trafficking of host- and donor-derived dendritic cells in rat cardiac transplantation : Allosensitization in the spleen and hepatic nodes"Transplantation. 71(12). 1806-1815 (2001)

  • [文献書誌] Ezaki T, Baluk P, Thurston G, La Barbara A, Woo C, McDonald MD: "Time course of endothelial cell proliferation and microvascular remodeling in chronic inflammation"Am J Pathol. 158(6). 2043-2055 (2001)

  • [文献書誌] Saiki T, Ezaki T, Ogawa M, Maeda K, Yagita H, Matsuno K: "In vivo roles of donor and host dendritic cells in allogeneic immune response : cluster formation with host proliferating T cells"J Leukocyte Biol. 69(5). 705-712 (2001)

  • [文献書誌] Uwatoku R, Suematsu M, Ezaki T, Saiki T, Tsuiji M, Irimura T, Kawada N, Suganuma T, Naito M, Ando M, Matsuno K: "Kupffer cell-mediated recruitment of rat dendritic cells to the liver : Roles of N-Acetylgalactosamine-specific sugar receptors"Gastroenterology. 121(6). 1460-1472 (2001)

URL: 

公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi