研究課題/領域番号 |
12670025
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
澤田 元 横浜市立大学, 医学部, 教授 (90101112)
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研究分担者 |
尾野 道男 横浜市立大学, 医学部, 助手 (50264601)
矢間 太 横浜市立大学, 医学部, 助手 (00254160)
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キーワード | 精祖細胞 / 精巣 / GFP / 移植 / 再生 / 分化 / GnRH / c-Kit |
研究概要 |
GFPマウスより精巣の細胞を公離、これを精子形成の起こらないSlミュータントマウスおよびBusulfan処理により精子系細胞を消失させたマウスの精巣に移植する系を確立した。このマウスの精巣では、GFPの蛍光を指標にドナーの精祖細胞の動態を観察することができる。移植の効率は移植時に精巣輸出管を結紮することなどの工夫により、研究開始初期の数本の精細管のみに移植された細胞が見られるという状況から、現在は精巣の約1/2に生着するまでに改善された。移植された精祖細胞は分裂を行い、互いに細胞間橋で連結したAal型精祖細胞そしてさらに拡がってシート上に増殖していった。これはおそらく移植されたクローンが拡大していく経過を示していると考えられる。 このような精細管を分化した精祖細胞のマーカーであるc-Kit抗体を用い、蛍光抗体法で染めたところ、クローンの周辺部は陰性で未分化な精祖細胞であることが、また中心部は陽性でやや分化した精祖細胞であることが示された。 脳下垂体ゴナド トロピン拮抗剤の投与により精巣のテストステロン産生を抑制したところ、精祖細胞のクローンの拡大が見られた。これはテストステロンが精祖細胞の増殖に抑制的に働いていることを示唆する。 現在、移植後、増殖した未分化な精祖細胞を、GFPの蛍光を指標に蛍光セルソーターで大量に分離することを試みている。今後、分離した未分化な精粗細胞の性質について生化学的、分子生物学的に検討していく予定である。
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