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2001 年度 実績報告書

三次元内部構造顕微鏡を用いた哺乳類四肢の血管・神経の形成過程の研究

研究課題

研究課題/領域番号 12670027
研究機関岩手医科大学

研究代表者

相澤 幸夫  岩手医科大学, 医学部, 講師 (90095258)

研究分担者 横田 秀夫  理化学研究所, 素形材工学研究室, 研究協力員(研究職) (00261206)
泉山 真由子  岩手医科大学, 医学部, 助手 (30305990)
磯貝 純夫  岩手医科大学, 医学部, 講師 (60212966)
牧野内 昭武  理化学研究所, 素形材工学研究室, 主任研究員 (80087460)
中村 佐紀子  理化学研究所, 素形材工学研究室, 研究協力員(研究職) (60322682)
キーワード三次元内部構造顕微鏡 / ラット胚 / 前肢血管形成 / 前肢神経形成 / 腋窩静脈 / 腕神経叢 / 節間動脈 / 原始鎖骨下動脈
研究概要

哺乳類四肢血管・神経の形成過程を,まず,ラット胚を用いて,血管色素注入法と神経細線維免疫染色の併用によって,血管・神経同時染色標本を作製して調べた.0.1日ごとの発生段階の変化を追って,肢芽形成期以前から,肢芽血管の基本的型が完成する時期まで,多くの親ラットから,膨大な数の胚を得た。三次元顕微鏡への適用に際して,基礎的データを得るため,この標本の一部を,三次元内部構造顕微鏡で薄切・再構築を試みた.その結果,最初血管注入に用いたベルリンブルー色素は,血管壁に沈着するので,全載標本の観察には適するが,切片では観寮が難しいことが分かり,蛍光色素で標識したマイクロビーズを溶かし込んだゲラチンを注入剤とし,また,神経も蛍光標識に換え,三次元内部顕微鏡の共焦点光学系装着への試験データーとした.現在,その結果を解析中であるが,三次元内部顕微鏡への適用においては,まだ至適条件を探っている段階である.しかし,その基礎データとしての,全載標本光顕観祭および,血管樹脂鋳型腐蝕標本のSEM観察による解析からは,重要な結果が得られている.それは,1)ラットにおいては,神経叢を貫通する腋窩動脈網と,神経叢を迂回する内側腋窩動脈幹との2重状態を経て,内側腋窩動脈幹が腋窩動脈になる;2)腋窩動脈網は,節間動脈外側枝間の縦吻合によるとの従来の定説とは異なり,1本の原始鎖骨下動脈(第8原始鎖骨下動脈:節間動脈とは無関係な血管)の肥厚と,第7神経の接近に伴う窓形成による;3)内側腋窩動脈幹は,従来の2つの相反する定説(第9節間動脈由来という説と,外側腋窩動脈幹からの二次的枝の吻合によるとの説)の両者とも異なり,原始鎖骨下動脈の一次枝である;4)従来,全く不明であった,鎖骨下静脈や腋窩静脈の形成過程が明らかとなった:などである.
この結果は,2000年度および2001年度日本解剖学会,第5回国際脊椎動物形態学会(2001,Jena)で発表し,静脈形成過程の結果は,第3回アジア太平洋国際解剖学会(浜松)で発表予定であり,かつ,腋窩動脈網形成過程の詳細は,現在,Anantomy & EmbryoIogy誌に投稿中である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 相澤幸夫: "ラット前肢動脈幹の形成過程"解剖学雑誌. 76(1). 36 (2001)

  • [文献書誌] Y.Aizawa et al.: "Morphogenesis of the rat axillary arterial plexus in netation to the brachial plexus analysed by the resin casts"Jourral of Morphology. 248(3). 201 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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