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2000 年度 実績報告書

全胚培養法を用いた神経回路形成機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 12670028
研究機関自治医科大学

研究代表者

山門 誠  自治医科大学, 医学部, 助教授 (80010114)

研究分担者 横山 篤  新奈川生命記念研究所, 副所長(研究職 (00210625)
キーワード全胚培養 / 三叉神経節 / パイオニア線維 / ヒゲ原基 / 足場 / 標的認知 / 誘導
研究概要

本年度の研究成果の第一は、ヒゲが急速に発生するマウス胎齢11日および12日の時期からそれぞれ24時間の全胚培養ができるようになり、実験系としての基盤が確立したことである(投稿準備中)。即ち、この培養期間中、in vivoと比較して胎仔の成長は幾分遅くなるが、ヒゲの原基は規則通り発生し、これらの原基の発生に伴い、原基における神経結合が順次進行する事が確認された。一方、48時間培養では、胎仔の成長に関するマクロ的評価基準に異常はなかったが、神経線維の成長に退縮傾向が見られた。従って、24時間以上の長期培養における実験を確実に行うためには、さらに培養条件を検討する必要がある。
研究成果の第2は、神経線維とヒゲ原基との結合形成について新事実が明かとなった点である。三叉神経節から最初に伸び出すパイオニア線維は、標的となるヒゲ原基が発生する時期、すでに原基の発生予定域(顔面隆起部)に相当数の線維束を形成し、この線維束から出る複数の小線維束のうち特定の線維束がヒゲの原基と結合を形成する、という事実である。即ち、最初に伸び出すパイオニア線維は、標的となるヒゲ原基と直接結合するのではなく、まずヒゲ原基との結合を導く足場を顔面隆起内に提供し、この足場を基礎に放射する小線維束の内、適切な(親和性の高いと思われる)線維束がヒゲ原基と選択的な結合を形成する(投稿改訂中)。以上の結果は、ヒゲ原基が神経との結合形成に際し、神経線維に対し誘導的に作用する事を強く示唆している。
今後、標的となるヒゲ原基が適切な線維束を選択または誘導する機構に焦点を置き、全胚培養を活用してこの仮説の立証と関連する分子機能について検証していきたい。

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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