研究概要 |
北海道大学名誉教授,児玉譲次博士により収集・所蔵されていた,日本人胎児頭蓋晒骨標本約2,000例(児玉コレクション)が杏林大学医学部に移管されるに伴い,汎用性の高いデータベースソフト(FileMaker Pro)を用いて画像データベースの作製を試みた. 2,000例の頭蓋標本から82例を抽出,光学カメラもしくはデジタルカメラを用いて1000視野について撮影を行った.これによって得られた画像データをコンピューター記憶装置に取り込み保存した.この際,保存する画像形式はPDFおよびJPEG形式を採用し,将来の汎用性を考慮していずれの形式にも対応できるようにした. 各種データは標本ごとに区分したフォルダーに収納,データベースとはリンク設定することで,画像表示画面が開かれると同時に画像を呼び出す方式とした.表示画面貼付方式ではデータベース本体の容量が増大し,表示やリンクにおける迅速性が失われることを避けるためである.これによりデータベース自体の容量は全体で約4.3MBに抑えられた. また,データベースと参照画像ファイルとのリンクを設定し,生後の頭蓋標本ファイルを表示可能な設定とした.将来,リンクファイルに種々の画像を保存することで,関連データの参照が容易となる点に意義がある. 当データベースは,日本人胎児頭蓋晒骨標本の所在と状態,そして研究利用などの可能性を検索するための手段として位置づけられる.このため,同データベースはサーバーに格納し,インターネットを通じてのアクセスが可能な設定となっている.現在,残された標本の画像データ入力が進行中であるが,同時にデータを格納したサーバーの位置づけや大学のHP(ホームページ)との関連を検討しており,将来の公開に向け準備を進めている.
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