研究課題/領域番号 |
12670039
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
松下 正之 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (30273965)
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研究分担者 |
松井 秀樹 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30157234)
森脇 晃義 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (10144742)
富澤 一仁 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (40274287)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | ChaK / Trp channel / 舌 / カルシウム / キナーゼ / Zinc Finger / 結晶解析 / ATP |
研究概要 |
研究代表者である松下正之はプロテインキナーゼによる細胞内情報伝達機構の解明の研究に携わってきた。本研究では、TRP型チャネルに非常にホモロジーの高い6回膜貫通型の構造をアミノ末端に有し,しかもキナーゼの活性ドメインを持つ遺伝子を発見し、Channel Kinase(ChaK)と命名した。この新規チャネルの構造制御機構、ならびに生理機能について以下の結果を得た。 1)我々は、このチャネルの細胞内ドメインの結晶解析に成功した。その結果、キナーゼドメインをお互いにスワップして2量体を形成している事、また亜鉛を構造保持のために持っている事が示された。 2)このチャネルはカルシウムを通過させる事が明らかになった。 3)ChaKのキナーゼ活性はチャネルに抑制的に働く。 4)ChaKと同様の一次構造をしたElongation factor 2 kinaseについて、冬眠との関係を明らかにした。 これらの結果を通じて、チャネルは細胞内外の情報を受け、細胞内のイオン濃度を調整する役割があるが、この調節機構にキナーゼを使用している事が明かとなった。キナーゼはATPと結合する事によってリン酸基を基質に転位するが、ChaKの場合自己リン酸化のメカニズムを介してチャネルそのものの制御に寄与している。今後、ChaKの細胞内ATPセンサーとしての生理的機能を解明する事により、細胞死、癌などに対する新たなチャネルの役割が解明されると思われる。
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