研究課題/領域番号 |
12670049
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
深尾 偉晴 近畿大学, 医学部, 助手 (70218874)
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研究分担者 |
岡田 清孝 近畿大学, 医学部, 助手 (20185432)
上嶋 繁 近畿大学, 医学部, 助教授 (30193791)
松尾 理 近畿大学, 医学部, 教授 (40030879)
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キーワード | t-PA / t-PA受容体 / 血管内皮細胞 / 線溶系 / 抗血栓性 / 細胞内伝達系 / チロシンリン酸化蛋白 / MAPK |
研究概要 |
ヒト臍帯静脈より、酵素処理(0.25%トリプシン、0.05%EDTAを含む)によって血管内皮細胞(HUVECs)を単離し、培養を実施した。この方法では1本の臍帯(30-40cm前後)より最大200万個の細胞を得ることができた。この初代培養を繰り返し約1x10^9細胞数を集め、細胞を溶解し、ゲルろ過法によってすでに決定されているt-PARの分子量である約2万前後の蛋白画分を集めた。これをさらに逆相カラムによって精製し、t-PAと結合する単一分画を採取し、その一部を電気泳動によって単一バンドであることを確認した。t-PARの回収量は蛋白量で約2μgであった。この精製t-PARをアミノ酸配列分析によってN末端から20残基程度を同定し、この配列に相当するペプチドを合成した。さらにヒトヘモシアニンをコンジュゲートし、ウサギに免疫して抗血清を得た。IgG分画まで精製して以降のスクリーニングに抗t-PAR抗体として用いた。HUVECsのcDNAライブラリー(λgt11)を大腸菌(Y1090)で増幅させ、IPTGによってファージから蛋白を誘導させ、抗t-PAR抗体と反応するプラークをウサギ2次抗体/アビジン/ビオチン法で検出、選抜した。このプラークに含まれるファージをさらに増幅させ、再度同様のスクリーニングを実施し、最終的に単一のt-PAR陽性ファージを得た。またこの方法と平行して、放射性同位元素で標識した抗t-PAR抗体によっても同様にスクリーニングを行ない、t-PAR陽性ファージを得た。これらのファージを大腸菌で増幅後、ファージDNAとして塩基配列を解析した。さらにファージDNAをPCR法でさらに増幅後、大腸菌のプラズミドに組み込んで増幅させ、プラズミドDNAとしても塩基配列を解析した。これまでのところ数種類のcDNAが回収されており、最も信頼性の高いcDNAの塩基配列からはリボゾーム蛋白の1種であることが明らかになりつつある。現在その確認のための追試を実施中である。
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