研究課題/領域番号 |
12670056
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
鮫島 道和 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (80135251)
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研究分担者 |
岡部 明仁 浜松医科大学, 医学部, 助手 (10313941)
内田 勝久 浜松医科大学, 医学部, 助手 (10168693)
福田 敦夫 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50254272)
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キーワード | 細胞内Cl^- / 視交叉上核 / 抑制性シナプス / Cl^-イメージング / MEQ / GABA |
研究概要 |
哺乳動物の時計機構の中枢である視交叉上核(SCN)には網膜-視床下部路を介したGABA作動性の入力が見られる他、SCN内に多数のGABA作動性のニューロンがあり、SCNニューロンの発火頻度を調節していると考えられている。こうしたSCNにおけるGABAの重要性とともに、SCNニューロンでは、昼夜でGABA作用の逆転現象が生じている可能性があるという報告がある。GABA作用の逆転現象とは、本来抑制生の伝達物質であるGABAが、細胞内Cl-濃度の変化に依存して興奮性にも働きうるのではないかという説であり、もし、SCNにおいてもこうしたGABA作用の逆転現象があるとすれば、これは、非常に興味深い中枢神経系での調節機構である。本研究では、このニューロン内Cl-濃度の変動をイメージング方を用いて直接測定することを試みた。Cl-感受性蛍光色素の6-methoxy-N-ethylquinolinium iodide(MEQ)をNaBH4で還元し、細胞膜透過型のdiH-MEQを合成した。ラットの脳スライスを作成し、視交叉上核を含むスライスに上記細胞膜透過型のdiH-MEQをインキュベーションにより負荷させた。diH-MEQは細胞内のoxidaseよって細胞膜非透過型のMEQに再酸化され細胞内に長時間とどまる。これを355nmで励起し、450nmの蛍光強度を高速冷却CCDカメラで計測した。膜非透過型に再酸化されたMEQは視交叉上核神経細胞内に留まり、GABAによる蛍光強度の変化を観測できた。ただし、蛍光が増加する場合([Cl-]iの減少)と、蛍光が減少する([Cl-]iの増加)場合があり、これらが、細胞内のCl- の経時的な変化を反映したものなのかどうか、測定データ数を増やし、また、測定時刻を変えて更に検討を進める。
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