研究課題/領域番号 |
12670056
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
鮫島 道和 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (80135251)
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研究分担者 |
岡部 明仁 浜松医科大学, 医学部, 助手 (10313941)
内田 勝久 浜松医科大学, 医学部, 助手 (10168693)
福田 敦夫 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50254272)
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キーワード | 細胞内Cl^- / 視交叉上核 / 抑制性シナプス / Cl^-イメージング / MEQ / GABA |
研究概要 |
本年度の研究では、前年度行ったMEQの蛍光変化が、実際に[Cl^-]_iの変化を反映しているのか、あるいは、[Cl^-]_iの変化を正しく反映した測定を行うにはどうするのが良いかを検討した。MEQによる[Cl^-]_i変化の測定の場合、最も問題点としてして指摘されるのは、MEQの蛍光変化が、Cl^-と一緒に動く他のイオンや水の動きによる細胞容積変化を映すものであって、必ずしも[Cl^-]_i変化を反映しないのではないかという点である。そこで、MEQ蛍光測定時の時、細胞にもう一つの蛍光色素であるCalceinをロードして、細胞容積の変化をモニターしながらMEQの蛍光測定を行うことを試みた。Calceinの蛍光は、細胞内イオン濃度やpHには全く影響を受けないことが知られている。つまり、Calceinの蛍光強度は、Calcein自体の濃度にのみ依存するものである。従って、Calceinを細胞内にロードすることによって、細胞容積をモニターすることが出来る。作成したラットの脳スライスのニューロンに、MEQとCalceinを二重ロードし、Hypertonic/High Cl^-の人工脳脊髄液で、あるいはHypotoniClow Cl^-人工脳脊髄液で灌流して、その時のMEQとCalceinの同時蛍光測定を経時的に行った。その結果、容積変化が観察されている時でも、Calceinの蛍光に対するMEQの蛍光の比(F_<MEQ>/F_<Calcein>)を取ることで、容積変化が観察されている時でも[Cl^-]_i変化をほぼ正しく測定することが出来ることが分かった。
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