研究課題/領域番号 |
12670057
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小崎 康子 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (20126882)
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研究分担者 |
水村 和枝 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (00109349)
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キーワード | 痛覚過敏 / プロスタグランジンEP_3受容体 / SARTストレス / ブラジキニンB_2受容体 / 脊髄後根神経節 |
研究概要 |
自律神経失調モデルとして知られる繰り返し低温曝露(Specific Alternation Rhythm of Temperature)ストレス時には痛覚過敏がおこることが知られている。一方、イヌにおける電気生理学的実験から、末梢におけるプロスタグランジンの痛み増強作用にEP3受容体が関与する可能性が示唆されている。そこで、イヌ脊髄後根神経節細胞(DRG)から、EP3受容体cDNAをクローニングした。クローニングしたEP3バリアントEP3-A、-Bをそれぞれ安定に発現するCHO株を樹立し、イヌDRGにもcAMP産生に対して抑制作用を有するEP3Rが存在することを先に明らかにした。続いて、これらの樹立細胞株の粗膜分画を用いてプロスタグランジンE2に対する結合特性を調べた。EP3-A、-BCHO株のKd値はそれぞれ6.5nM、9.0nMであり、報告されている他の種の値と近かった。 SARTストレスの研究が進みつつあるアジュバント関節炎ラットのDRGにおいて、半定量的PCR法により、慢性炎症時にはブラジキニンB2受容体やプロスタグランジンEP3受容体の発現量が増加する傾向を認めた。痛覚過敏の一因としてこれら炎症メディエーター受容体の発現量増加も関わる可能性があると考えられる。 SARTストレスを負荷したラットでは体重増加の抑制、機械的刺激閾値の低下と視床下部の副腎皮質ホルモン放出ホルモン(CRH)mRNAの発現が増加する傾向がみられた。アジュバント関節炎ラットでは機械的刺激閾値の低下が観察されたが、その炎症状態においてSARTストレスを負荷した場合にはそれ以上の低下は観察されなかった。慢性炎症による痛覚過敏が大きすぎてそれ以上の増悪を検出できなかったためかもしれないが、SARTストレスにより視床下部から放出されたCRHによって、炎症刺激に対する耐性を生じた可能性もあると考えられる。
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