Cobalt^<60>を用いて45Gyの線量をウサギの耳に照射して2週後に、耳動脈において、acetylcholineによるeNOS依存性弛緩反応は著明に減弱し、免疫蛍光染色およびウェスタンブロット法で解析したeNOSのタンパク量は約50%に低下していた。さらに、RT-PCR法により、eNOS mRNAもタンパク量と同程度に、放射線照射により減少していた。フリーラジカルスカベンジャーであるedaravoneを一日2回(10mg/kg/回)、放射線照射前日より血管摘出前日まで、ウサギの腹腔内に継続的に投与したところ、上記の放射線照射によるeNOSに関係した変化は、いずれもコントロールレベルまで回復した。このことは、照射に暴露されている間に発生する活性酸素種が、放射線照射によるeNOS発現低下の最も重要な間接的メカニズムであることを示唆する。
|