[目的]アポトーシス制御による新しい腎硬化症治療薬開発の基礎的アプローチとして、12年度はCTGFを平滑筋細胞に強制発現させることにより増殖及びapoptosis誘導に対する効果を検討した。 [方法]full lengthのCTGF cDNAをCMV promotorを持つvectorに組み込み、ヒト大動脈平滑筋細胞にtransfectした。CTGF peptide抗体を作成し、Western blotに使用した。transfect後48時間において、CTGF mRNA、蛋白の発現を確認した。transfect後48時間において、PDGF増殖刺激による反応を3H-Thymidineのup-takeおよび細胞数計測で検討するとともに、apotosis誘導に対する効果をELISAによるDNA fragmentation及びFACSにより検討した。 [結果]CTGFをtransfect後48時間において、著明にmRNA、蛋白の発現が増加した。CTGFをover expressionした平滑筋細胞はPDGF刺激に対して抵抗性を示し、apoptosis誘導が有為に増加した。TGF-βはPDGF刺激による増殖を抑制したが、この抑制作用はCTGFアンチセンスオリゴ前処置により有為に抑制された。TGF-βはquiescentな平滑筋細胞(48時間の無血清処置)にapotosisを誘導したが、これはCTGF antisense oligo前処置により有為に抑制された。 [今後の予定]12年度の結果を基礎データとし、13年度は培養ヒトメサンギウム細胞を用いて、CTGFの制御やアポトーシス誘導作用を検討する。
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