研究課題/領域番号 |
12670097
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
石川 直久 愛知医科大学, 医学部, 教授 (80109321)
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研究分担者 |
島田 康弘 名古屋大学, 医学部, 教授 (50028669)
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キーワード | neuropeptide Y / neuropeptide Y Y_3受容体 / クローニング / 肺血管透過性 / peptide YY / cDNAライブラリー / 血管内皮細胞 / 肺循環 |
研究概要 |
クローニングの準備状況:neuropeptide Y受容体のサブタイプの一つであるY3-受容体(遺伝子シークエンスはまだ解明されていない)が、肺内血管内皮細胞に存在し肺血管透過性の亢進に強く関与している可能性を従来多くの実験で示唆してきたところであり、クローニングに成功すれば直接的にこの仮説を実証する事になる。そのため、現在クローニングの準備を行っており、次のようなステップを考え試薬や必要備品を整備している。 1.肺をクレプスヘンゼライト液にて体動脈から還流して、そこへトリプシン(場合によってコラーゲネイス)を投与する。15-30分で剥離された細胞を集め、cDNAライブラリーを作成する。その一部の細胞培養は内皮細胞の確認などのために行う。 2.cDNAライブラリー作成にはStratagene社のcDNA synthesis kit及びClonetech社のSMART cDNA library connection kitを用いる。(1)oligo(dT)primerを用いてfirst strand合成、(2)polymeraseによるsecond strand合成、(3)EcoR1 adaptorsの結合、(4)Xho1制限酵素による切断、(5)cDNAをλファージ(λ-ZAP II)に組み込む。 3.λ-ZAP II、ampicilinにて目的蛋白を合成する機能を持っている。このλ-ZAP IIを大腸菌Y1090に感染させる。LB-Ampプレート上に捲き42度4時間培養を行い、各プラークが直径0.5mmになる事を確認した後ニトロセルロース膜を乗せ2-3時間の培養後それに転写させる。 4.目的蛋白発現の大腸菌の釣菌は、ニトロセルロース膜上で次のようにプラークを同定する事によって行う。(1)スキムミルク1時間ブロッキング、(2)NPY・PYY4度インキュベーション、(3)NPY・PYY各ウサギ・山羊抗体の結合、(4)異なる標識を持つ2つの2次抗体結合、(5)発光法によりNPY結合・PYY非結合のプラークを確認する。 5.陽性ファージ液を用いてさらに4次スクリーニングまで行う。陽性コロニーから融合蛋白を抽出し、western blottingで再確認する。ファージDNAを精製する。EcoR1で精製したDNAを切断、電気泳動にて挿入したDNAの大きさを確認する。 6.DNAシークエンサーにてDNA配列を決定する。 これらの一連の操作を行い、次年度以降早急に結論を得たいと考えている。
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