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2001 年度 実績報告書

酸性スフィンゴ糖脂質による神経系の維持と修復の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 12670111
研究機関名古屋大学

研究代表者

古川 圭子  名古屋大学, 大学院・医学研究科, 講師 (50260732)

研究分担者 古川 鋼一  名古屋大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80211530)
伊藤 道一郎  長崎大学, 歯学部, 講師 (70223188)
キーワードガングリオシド / ノックアウト / サブトラクション / 神経変性 / 遺伝子発現 / GM2 / GD3
研究概要

GM2/GD2合成酵素遺伝子のノックアウト(KO)マウスは、生後12週頃、既にrota-rodテストによる協調運動の異常を示すと共に、雄は約35週齢から雌は約45週齢より歩行の異常を示した。そこでGM2/GD2合成酵素遺伝子KOマウスにおいて特異的に発現の低下する遺伝子に関して、cDNAサブトラクションとdifferential hybridizationを用いての遺伝子の同定と、その意義の検討を目指した。野生型マウスとKOマウスの脊髄よりRNAを抽出し、RT反応によりcDNAを合成した後、野生型マウスcDNAよりKOマウスcDNAをサブトラクションして、残ったcDNA群をベクターに挿入したサブトラクションライブラリーを作成した。このライブラリーからのクローンを500個ピックアップしてPCRにて増幅した後、ナイロン膜にduplicateでスポットしたメンブレンのペアーを作成した。これに対し、サブトラクト済cDNAと非サブトラクトのcDNA群を標識してドットハイブリダイゼーションを行うことにより、野生型cDNAに特異的に残存するクローン(KOで発現消失)をピックアップした。その結果、検討した200クローンの中で著明に発現低下したクローン37クローン、有意に低下したクローン39クローンを得て、その塩基配列を決定した。これまでに判明したcDNAクローンの内訳は、既知の遺伝子63クローン、未知の遺伝子13クローンから成っており、その中には、エネルギー代謝関連遺伝子、転写因子遺伝子、プロテアーゼ関連遺伝子などが含まれており、今までに神経変性との関わりを報告されていた遺伝子も少なからず含まれていた。現在、ノザンブロットによる発現変化の確認と全長cDNA発現ベクターの作成を実行中で、神経系細胞に導入して細胞機能を解析する予定である。
また、GD3合成酵素遺伝子KOマウスでは、舌下神経再生能の低下を明らかにしており、その分子メカニズムについて同様のアプローチで検討を進めようとしている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Mitsuda, T.: "Over-expression of ganglioside GM1 results in the dispersion of platelet derived growth factor receptor from glycolipid-enriched microdomains and in the suppression of cell growth signals"J. Biol. Chem.. (in press).

  • [文献書誌] Furukawa, K.: "Expression of the Gb3/CD77 synthase gene in megakaryoblastic leukemia cells : implication in the sensitivity to verotoxins"J. Biol. Chem.. (in press).

  • [文献書誌] Okada, M.: "b-series ganglioside deficiency exhibits no definite changes in the neuroqenesis and the sensitivity to Fas-mediated apotosis, but impairs regeneration of the lesioned hypoglossal nerve"J. Biol. Chem.. 277. 1633-1636 (2002)

  • [文献書誌] Ito, M.: "Specificity of carbohydrate structures of gangliosides in the activity to regenerate the rat axotomized hypoglossal nerve"Glycobiology. 11. 125-130 (2001)

  • [文献書誌] Iwamoto, T.: "Lactosylceramide is essential for the osteoclastogenesis mediated by the macrophage-colony stimulating factor and receptor activator of NF-kB ligand"J. Biol. Chem.. 276. 46031-46038 (2001)

  • [文献書誌] Furukawa, K.: "Novel functions of complex carbohydrates elucidated by the mutant mice of glycosyltransferase genes"Biochim. Biophys. Acta.. 1525. 1-12 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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