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2001 年度 実績報告書

マクロファージによるアポトーシス細胞の認識および貪食の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 12670115
研究機関大阪大学

研究代表者

田中 正人  大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (00294059)

研究分担者 長田 重一  大阪大学, 医学系研究科, 教授 (70114428)
キーワードアポトーシス / マクロファージ / ファゴサイトーシス / MFG-E8
研究概要

昨年度我々は、マクロファージによるアポトーシス細胞の貪食を定量的に評価するアッセイ方法を確立した。そこで本年度はマクロファージの表面抗原に対するモノクローナル抗体を作成し、このアッセイに影響を与える抗体を選び出すスクリーニングを行ったところ、マクロファージによるアポトーシス細胞の貪食を促進する抗体(2422抗体)を発見した。2422抗体存在下ではアポトーシス細胞を貪食するマクロファージの割合、およびマクロファージー細胞あたりが貪食するアポトーシス細胞の数が増加した。2422抗体が認識する分子量約72kDaの分子をマクロファージの抽出液より抗体のアフイニティークロマトグラフィーにより精製し、質量分析により解析したところ、MFG-E8と呼ばれるタンパク分子であった。この分子は従来、母乳中の脂肪球に多く含まれるタンパクとして同定されていたが、ウエスタンプロッティング法及びノザンブロッティング法による解析で、マクロファージからも産生、分泌されることが分かった。野生型および変異型リコンビナントMFG-E8分子を調製し機能を解析したところ、この分子はそのC末端部位でアポトーシス細胞の細胞表面上に出現するホスファチヂルセリンに結合することが分かった。またホスファチヂルセリンに結合したMFG-E8はそのN末端のRGD配列を含む部位でαVβ3インテグリンに結合することが判明した。リコンビナントMFG-E8をαVβ3インテグリンを発現した3T3細胞に加えると、アポトーシスを起こした胸腺細胞を貪食することが観察され、さらにRGD配列をRGEに変えた変異MFG-E8はマウス腹腔内マクロファージによるアポトーシス細胞の貪食を阻害した。これらのことからMFG-E8はアポトーシス細胞とマクロファージをリンクし、アポトーシス細胞の貪食を促す機能を持つ分子であることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] K.Shudo et al.: "The membrane-bound but not the soluble form of human Fas ligand is responsible for its inflammatory activity"Eur J Immunol. 31. 2504-2511 (2001)

  • [文献書誌] T.Itai et al.: "Processing of tumor necrosis factor by the membrane-bound TNF-α-converting enzyme, but not its truncated soluble form"Eur J Biochem. 268. 2074-2082 (2001)

  • [文献書誌] R.Hanayama et al.: "Identification of a factor that links apoptotic cells to phagocytes"Nature. (in press). (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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