1)マクロファージ様RAW264.7細胞培養系にIFN-γを添加するとiNOSが誘導される。本誘導はPMAによって著しく増強されるが、PMA単独添加では誘導は認められなかった。IFN-γとPMAによるiNOS誘導はPMAによる転写因子IRF-1の活性化に基づくことを明らかにし、一方PMAはiNOS mRNAの分解には影響を与えなかったが、iNOSのタンパク分解に影響を与えている可能性を導いた。 2)IFN-γとPMAによるiNOSの増加と一致して、抗iNOS抗体を用いたウエスタンブロットにより分子量130KDa付近のバンドの増強が認められた。バンドの増強の程度に応じてバンドのテーリング(>130KDaへのスメア)が観察され、プロテアソーム阻害剤であるlactacystin、MG132やN-acetyl-L-leucinyl-L-leucinyl-norleucinalの添加によりバンドのテーリングは増加した。 3)iNOS酵素タンパク質はブロテアソーム阻害剤の添加により130KDa付近のバンドの増強と>130KDaへのテーリングとして観察されたが、リソゾーム阻害剤であるleupeptin、pepstarin A及びchloroquine添加では観察されなかった。このような事実は、inflammatory mediatorによるiNOS活性の調節は転写レベルとプロテアソームが関係するタンパク質分解レベルによって調節されていることを示唆している。 4)^<125>I-GST-ユビキチン、赤血球ライセイトから部分精製したコンジュガーゼとRAW264.7細胞から部分精製したiNOSをATP存在下に反応後、抗iNOS抗体で免疫沈降し、SDS/PAGEを行なった。分子量>130KDaのタンパク質へのラジオアイソトープの取込みが観察され、iNOS-ユビキチン化の可能性が示唆された。また我々が先に見い出しているユビキチン様タンパク質も同様な修飾反応に関わる可能性を得た。
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