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2000 年度 実績報告書

ヒト補体レクチン経路のMASP-1およびMASP-2遺伝子の発現調節機構

研究課題

研究課題/領域番号 12670119
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

遠藤 雄一  福島県立医科大学, 医学部, 助教授 (20117427)

キーワード補体レクチン経路 / セリンプロテアーゼ / 転写調節 / プロモータ / サイトカイン / 分子生物学
研究概要

ヒト補体レクチン経路においては、血清中のマンノース結合レクチン(MBL)が異物表面の糖鎖を認識するのに伴い、MBLに結合した2つのセリンプロテアーゼ、MASP-1とMASP-2が活性型になり補体系を活性化する。MASP-1とMASP-2は、補体古典的経路のC1rあるいはC1sと構造的、機能的に類似することが明らかになっている。本研究は、MASP-1/2両遺伝子の発現調節機構を解明し、MASP-1/2が惹起するレクチン経路の生理的意義を明らかにすることを目的としている。また、古典的経路を惹起するC1s遺伝子の発現調節機構と比較し、2つの補体活性化経路がもつ生理的意義の違いを明らかにすることを目ざしている。平成12年度の本研究では、MASP-1/2両遺伝子のプロモータおよび転写調節領域を含むゲノムDNAをクローン化しその塩基配列を決定した。クローン化したDNAおよびその欠失変異体をルシフェラーゼをレポータとするベクターに組み込み、ヒトヘパトーマ細胞HepG2に導入しプロモータ活性を測定した。これらの解析によって、2つのMASP遺伝子のプロモータ構造と転写調節に関与するエレメント(基本転写因子、肝臓特異的発現に関与するエレメントおよびエンハンサー)の配列を明らかにした。同様の解析をC1s遺伝子についても行い、相互比較した。さらに、MASP-1/2およびC1s遺伝子のプロモータ活性に及ぼすIL-6、IL-1βなどのサイトカインの効果を調べ、効果は微弱ながらMASP-1とMASP-2はよく似た反応性を示すことを明らかにした。一方、C1sプロモータはこれらのサイトカインに強く反応し急性期タンパク質の特徴を示すことがわかった。これらのことは、MASP-1/2とC1s遺伝子の発現調節機序の違いを示すとともに、それぞれのセリンプロテアーゼが惹起するレクチン経路と古典的経路のもつ生理的意義の違いを示唆するものと考えられた。現在、これらの点を論文にまとめ投稿を準備中である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Matsushita M.: "Complement-activating complex of ficolin and mannose-binding lectin-associated serine protease."J.Immunol.. 164. 2281-2284 (2000)

  • [文献書誌] Yabuta N.: "Structure, expression and chromosomal mapping of LATS2, a mammalian homologue of the Drosophila tumor suppressor gene"Genomics. 63. 263-270 (2000)

  • [文献書誌] Shibuya A.: "F_cα/μ receptor mediates endocytosis of IgM-coated microbes."Nature Immunology. 1. 441-446 (2000)

  • [文献書誌] 遠藤雄一: "生体防御レクチンによる補体活性化"蛋白質核酸酵素. 45. 671-678 (2000)

  • [文献書誌] Watabe K.: "Structure, expression and chromosomal mapping of MLZE, a novel gene which is preferentially expressed in"Jpn.J.Cancer Res.. 92. 140-151 (2001)

  • [文献書誌] Nakagawa M.: "Polymorphic expression of decay-accellerating factor in human colorectal cancer."J.Gastoenterol.Hepatol.. 16. 184-189 (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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