研究課題/領域番号 |
12670146
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
錦見 盛光 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20022816)
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研究分担者 |
山田 道之 横浜市立大学, 理学部, 教授 (10076995)
井内 陽子 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (20316087)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | 過酸化水素 / 一酸化窒素 / HL60 / PCRサブトラクション / Rpn9 / プロテアソーム / アルカリホスファターゼ / 酸化ストレス |
研究概要 |
H_2O_2ないしNO耐性HL60細胞と親細胞との間で発現量に差のある遣伝子には、細胞の抗酸化ストレス機能に関連するものが含まれると考えられる。耐性細胞と親細胞の間でmRNA量に差のある遣伝子をPCRサプトラクションクローニング法で検索した。RNAドットプロット分析の結果、H_2O_2耐性細胞ではカタラーゼ、oosinophil granule basic protein、diaphaouslなどの遣伝子の発現が上昇し、ミエロパーオキシダーゼ遺伝子の発現が減少していた。NO耐性細胞ではシトクロム酸化酵素のサブユニット1遣伝子の発現が増加していた。抗酸化ストレス遺伝子の検索中に、プロテアソームの19S調節ユニットを構成するサブユニットの一つRpn9を拾い上げたが、精査の結果mRNA量の上昇はわずかであった。しかし、酸化タンパク質の分解にプロテアソームが重要であるので、Rpn9に注目して酵母のホモローグの破壊株のH_2O_2に対する耐性を野生株と比較したところ、意外にも破壊株の方が耐性が大であった。両株のプロテアソームによるタンパク質分解活性を非変性条件下の電気泳動ゲル上で調べた結果、Rpn9破壊株では20Sプロテアソームおよびこれより少し遅れて泳動される分子種の活性が増加していた。よって、酸化タンパク質の分解処理にこれらの分子種が関与すると結論した。また、大腸菌のアルカリホスファターゼをCHO細胞のサイトゾルで恒常的に発現させて、細胞内のチオール基の酸化程度を同酵素活性によって定量化する実験系を確立した。これらの研究の他に、銅のキレート化によって抗酸化ストレス作用を発揮するタンパク質が細胞内に多数存在することを見出し、Cu(I)とタンパク質チオール基との相互作用が重要であることを証明した。
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