研究課題/領域番号 |
12670166
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
吉河 康二 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (80124816)
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研究分担者 |
森 正樹 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (70190999)
井上 裕 九州大学, 生体防御医学研究所, 講師 (90203249)
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キーワード | DNAマイクロアレイ / LCM / Cancer Chip / 癌の悪性度 / 原発巣 / 転移巣 / T7 poluymerase |
研究概要 |
【目的】 レーザー顕微鏡下マイクロダイセクション(LCM)法とDNAマイクロアレイにてで病理組織切片から癌細胞のみを解析した。 【方法と結果】 胃癌3例大腸癌3例の癌部、非癌部、および転移巣より総計18検体採取した。各検体20枚ずつ(合計360枚)の凍結切片を作成し、LM200(OLYMPUS)を用いて目的の細胞のみを一検体につき百から1万個採取した。mRNAはT7poluymeraseにて増幅した。 (1)癌部と非癌部の比較;癌部において過剰発現していた遺伝子は細胞周期関連遺伝子としてRB protein.MAP kinase、neutrophic tyrosine kinase、増殖因子としてInsulin like growth factor 2、Platelet derived growth factor(PDGF)等であった。 (2)転移巣と原発巣の比較:転移巣において過剰発現していた遺伝子は細胞周期関連遺伝子としてtyrosine kinase 2、蛋白分解酵素関連遺伝子としてcollagen type III-α、増殖因子としてPDGF、転写因子としてEukaryotic translation initiation factor-2、接着因子としてCadherin等が認められた。これらの既知の遺伝子およびESTについては発現差を確認した。 (3)原発巣-転移巣間の発現プロファイルと生検標本との比較:生検標本においても同様の発現パターンの所見が見られた。 [結論]LCMおよびDNAマイクロアレイを用いたことから、in vivo環境下で細胞の混入無く癌化あるいは転移において重要な遺伝子群を精確に同定し得た。また、その結果得られた発現プロファイルは生検標本から得られたそれと相関関係にあり、LCMおよびDNAマイクロアレイを用いた生検標本の評価は癌の悪性度あるいは転移の予測をする上で極めて臨床的に有用であることが示された。
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