研究概要 |
菊池病は組織像により診断される疾患であるが、その発症年齢、病変部位、血液学的変化、皮疹などの臨床像,免疫および微生物学的成績は、これまでの成績と同様の成績を示すが、最近では、男性の比率が増加の傾向にあり次第に男女比がほぼ同率に近づきつつある.患者血清と病変部細胞よりのDNAによる本疾患に特異な蛋白抽出では、特異蛋白は見いだされなかった.組織学的に形質細胞様単球がmyeloperoxidaseに反応する事を明らかにしたが、同様な変化を示す反応性病変は他のリンパ節疾患には見いだしていない.さらに最近の症例では泡沫細胞出現が特に著明である例がみられるようである.Apoptosisを特徴とする本疾患に見られる細胞死はFasならびにperforinの両経路に関係するが、Fasに関連するCXC chemokineであるinterferonγ誘導蛋白IP-10とmonokine Migとともにperforin系に関与するIL18の発現もあり、両方の経路が関与していることをさらに明確にした.さらにapoplosis関連遺伝子約200種のDNA chipを用いてその変動について検討し本疾患においては他のリンパ節炎と明らかに異なったcluslerを形成するとともにCDC6,caspase6,BCL2-antagonistなど多くの遺伝子のup-regulationが見られるとともに、myeloid cell leukemia sequence 1(BCL-2-relaled),glyceraldehyde-3-phosphatase dehydrogenease, cyclin-dependent kinase 5, regulatory subunit 1(p35)の明らかなdown-regulationが見られることも明らかにした.
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