研究課題/領域番号 |
12670184
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
橋本 洋 産業医科大学, 医学部, 教授 (10128069)
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研究分担者 |
久岡 正典 産業医科大学, 医学部, 助教授 (40218706)
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キーワード | 軟部腫瘍 / 卵巣腫瘍 / Lats1 / 遺伝子解析 / 癌抑制遺伝子 / RT-PCR / サザンブロット法 / PCR-SSCP |
研究概要 |
癌抑制遺伝子の候補として最近見い出されたh-Warts/LATS1遺伝子の変異の有無を種々のヒト軟部肉腫50例を対象として検索した。昨年度に明らかにしたh-Warts/LATS1遺伝子の翻訳領域における構造を基に、reverse transcription-polymerase chain reaction (RT-PCR)によってh-Warts/LATS1遺伝子の発現状況を調査したところ、7例(14%)において発現の現弱ないし消失が認められた。この7例にっいてh-Warts/LATS1遺伝子が局在する6q24-25.1に対するマイクロサテライトマーカーを用いて遺伝子欠失の有無を検討したところ、遺伝子発現が現弱していた1例において欠失が見い出された。次にPCR-single strand conformation polymorphism(SSCP)によってこの遺伝子の翻訳領域における点突然変異の有無を検索し、7例中2例においてミスセンス変異を見い出した。一方遺伝子発現に異常のなかった例では、それらの遺伝子変異は認められなかった。なおサザンブロット法による解析では、明らかなh-Warts/LATS1遺伝子の再構成は検出されなかった。以上の結果から、ヒト軟部肉腫のあるものはh-Warts/LATS1遺伝子の変異を伴っており、それらの例における腫瘍発生にこの遺伝子異常が関与している可能性が示唆された。平成14年度はh-Warts/LATS1遺伝子発現異常の機序をより明らかにするため、特にプロモーター領域の構造を詳しく調査し、CpG配列のメチル化などの同部における異常について検討する予定である。
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