研究概要 |
MT-MMP遺伝子は、現在までに6種類の分子(MT1,2,3,4,5,6-MMPs)が報告されている。本研究ではMT5-MMPに的を絞って主としてジーンターゲティングの手法を用いて解析するとともに、マウス個体発生における発現を検討し、MT-MMPの生物学的機能解析を目指す。MT5-MMP遺伝子は成体では主に小脳に発現し、脳の発生においては、分裂を終えた神経細胞に発現していることがin situ hybridization,免疫組織化学の手法を用い同定された。MT5-MMPはP19細胞において、レチノイン酸でその発現が誘導され、さらにAraCで処理した神経細胞に分化した細胞に発現がみられた。また、MT5-MMPは脳に存在するプロテオグリカンを分解することより、MT5-MMPは神経線維の伸長に関与することが示唆された。しかしながら、MT5-MMPのノックアウトマウスのホモロマウスが得られたものの、著明な異常所見は生後約1年生存しているが、今のところ得られていない。MT5-MMPのほかに、MT3-MMP、MT4-MMPも脳での発現が認められる。しかしながら、その発現場所時期に違いが認められ、それぞれ異なる機能をもつと考えられる。
|