• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2000 年度 実績報告書

新たに分離・同定したプリオン蛋白類似蛋白の遺伝子発現細胞の同定とその機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 12670207
研究機関長崎大学

研究代表者

重松 和人  長崎大学, 医学部, 助教授 (20154205)

キーワードDoppel / PrPLP遺伝子 / 血管内皮細胞 / セルトリ細胞 / blood-brain-barrier / blood-testis-barrier
研究概要

正常PrPの機能については、未だ、明らかではないが、PrP遺伝子欠損マウスを作成し、PrPがPurkinje細胞の長期生存維持に関与している可能性を報告してきた。今回、我々は、PrP遺伝子欠損マウスにはalternative splicingにより生じたmRNAが過剰発現していることを見つけ、塩基配列を決定してみるとPrP類似のタンパクをコードする新たな遺伝子(Dopple/PrPLP遺伝子)であることがわかった。この遺伝子は、正常成人マウス脳には発現が認められないが、睾丸や心臓には強く発現していた。しかし、脳でも生後6日目をピークとした発現が見られ、免疫組織化学法とin situ hybridization法とで発現細胞を同定してみると、脳血管内皮細胞に発現していることがわかった。一方、睾丸では、生後2週目までは、将来的にはリンパ管に分化していく間葉細胞に発現しているが、生後3週目からは、spermatogenic cycleの第IV〜VI日目のセルトリ細胞に強く発現するようになる。PrPもDopple/PrPLP同様、弱いながら血管内皮細胞やセルトリ細胞に発現していた。PrP(106-126)の神経細胞障害が、神経細胞への直接的な影響によるものに加えて、血管内皮細胞の障害を介した影響の可能性も考えられ、発現時期や精巣を含めた発現部位などを総合的に考え合わせると、PrPやDopple/PrPLPは、blood-barin-barrierやblood-testis-borrierの形成や機能に関わっている可能性が示唆される。今後は、こうした機能について検討していく。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Li A et al.: "Identification of a novel gene encoding a PrP-like protein expressed as chimeric transcripts fused PrP exon 1/2 in ataxic mouse line with a disrupted PrP gene"Cellular Molecular Neurobiology. 20. 541-551 (2000)

  • [文献書誌] Li A et al.: "Physiological expression of the gene for PrP-like protein, PrPLP/Dpl, by brain endothelial cells and its ectopic expression in neurons of PrP-deficient mice ataxic due to Purkinje cell degeneration"American Journal of Pathology. 157. 1447-1452 (2000)

  • [文献書誌] Deli MA et al.: "PrP fragment 106-126 is toxic to cerebral endothelial cells expressing cellular prion protein"NeuronReport. 11. 3931-3936 (2000)

URL: 

公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi