研究課題/領域番号 |
12670213
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 香川医科大学 (2001-2002) 名古屋市立大学 (2000) |
研究代表者 |
今井田 克己 香川医科大学, 医学部, 教授 (90160043)
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研究分担者 |
竿尾 光祐 香川医科大学, 医学部, 助手 (80314912)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | 前立腺 / トランスジェニックラット / 発癌抑制物質 / 早期検索系 / ラット / 遺伝子改変動物 / 発癌 / SV40 T antigen |
研究概要 |
本研究は、前立腺がんの抑制物質の検索を動物発がんモデルを用いて行うことを目的としている。前立腺がんの化学予防物質や発がん抑制物質の検索には、動物モデルを用いた検索が不可欠であるが、従来のモデルは、60週間程度の実験期間が必要であり、改善が望まれている。我々はprobasin SV-40 T antigenの遺伝子を導入したtransgenic rat (TG)を作成し、15週齢までにすべての動物の前立腺に腺がんが発生することを報告している。今回TG雄ラット45匹を3群に分け、前立腺発がんの抑制が報告されている物質として1群にはlycopene45ppmを、2群にはquercetin 2%を混飼投与した。3群は無処置対照群とした。実験期間中、各群の食餌摂取量、体重に有意な差は見られず、実験は15週間で終了した。実験終了時の体重、肝、腎重量に群間による差は見られなかった。血中のtestosterone値は0.9-1.2ng/mlで、群間の差は見られなかった。前立腺の腫瘍性病変は腹葉、背葉、側葉、前葉の各葉毎に評価し、前立腺上皮内腫瘍(PIN)と腺がんに分類し、さらに腺がんは非浸潤がんと浸潤がんに細分類した。病変の発生頻度に各葉毎の変化はみられず、PINならびに腺がんの発生はともにlycopen投与群15/15、quercetin投与群14/14、対照群14/14と全ての動物に認められた。その内、腺がんの多くは浸潤がんであったが、非浸潤がんの発生頻度は各群それぞれ5/15、0/14、1/14とlycopen投与群でやや高い傾向を認めたものの統計学的に有意差は見られなかった。以上の結果より、このTGを用いたラット前立腺がんモデルは前立腺発がんの抑制物質の検索系として、必ずしも適切ではないと考えられた。
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