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2000 年度 実績報告書

老化蛋白SMP30遺伝子破壊により出現する病態の分子病理学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 12670224
研究機関(財)東京都老人総合研究所

研究代表者

丸山 直記  (財)東京都老人総合研究所, 分子病理部門, 研究部長 (00115940)

キーワードSMP30 / 肝細胞 / アポト-シス / カルシウムポンプ / ノックアウトマウス
研究概要

SMP30遺伝子破壊マウス系を確立した。現在8代までのC57BL/6マウス系に退交配し純系として確立した。SMP30遺伝子破壊マウスは通常の方法で飼育する限り野生型マウスとは著しい差は認められなかった。生後約1年では腎臓に巨大な嚢胞を発症する例が多数認められた。電子顕微鏡による観察では肝臓においては細胞質に多数の脂肪滴が観察された。またミトコンドリアの変性も野生型マウスに比して増強していた。ライソゾームも著明であった。野生型に比較して遺伝子破壊マウスではリボソームの発達が乏しいことが特徴的であった。これらの所見は加齢に伴う肝所見と極めて類似しており遺伝子破壊により臓器の加齢変化が促進されることがわかった。初代培養肝細胞を用いてTNFαによるアポトーシスの誘導を解析した。TNFαとactinomycin Dを併用し培養肝細胞を処理するとSMP30遺伝子破壊マウスはアポトーシスに対する感受性が亢進する事が明らかとなった。このTNFα誘導性アポトーシスにおいては細胞内で2つの経路が活性化されるがカスパーゼの活性化を主とするpro-apoptotic pathwayには差が無く、NFkBの活性化を主とするanti-apoptotic pathwayも通常に活性化され差がなかった。従ってSMP30の抗アポトーシス抑制作用はSMP30によるカルシウムポンプ亢進によると現時点では結論している。SMP30の発現部位の解析を進めておりさらに多くの臓器で発現しており、血液系を除く殆ど全ての臓器に発現している。この事実は加齢変化の多臓器発現を説明するものである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Ishigami,T.: "Regulatory effects of senescence marker protein-30 on the proliferation of hepatocytes"Pathology International. (印刷中).

  • [文献書誌] Supakar,PC.: "Identification of nevel sequence-specific nuclear faction interacting with mouse SMP30 gene promoter"BBRC. 272. 436-440 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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